医療費の増大は薬局のせい?

この間、Twitterで一瞬話題になった内容です(笑)

Twitterでも、もはやそんなのは都市伝説だ!と結論づいたような気もしますが、せっかくなので記事にしておきます。

医療費と調剤医療費

もはやこのグラフが全てといってしまっても良いのですが、医療費と調剤医療費の推移のグラフがこちら。

医療費と調剤医療費

元は、平成30年診療報酬改定時の資料になります。⇒平成30年度診療報酬改定の概要調剤

調剤(薬局)も薬剤料と技術料に分かれていますが、薬剤料は薬そのものの料金技術料は薬局や薬剤師への手数料と考えてもらえれば良いかと思います。

その辺りはこちらの記事を。⇒【解説】売上や利益など、薬局の収益構造をシンプルに紹介!

そして、薬そのものの料金というのは、薬局では減らすことは出来ても増やすことは出来ません。

ジェネリックを患者さんに勧めたりして減らすことは簡単ですが、増やすためには・・・医師が処方し忘れた薬を、疑義照会して追加処方してもらう時くらいでしょうか。

つまり、薬剤料というのは医師が発行した処方箋でほとんど全て決まるということです。

そして、グラフの上に書かれているこの内容が重要です。

「調剤医療費の伸びの大部分は薬剤料。これには、院外処方への切替えにより、入院外に計上されていた薬剤料が調剤医療費に振り替わった分が含まれている。」

つまり、処方箋を発行せずに院内処方した場合、薬そのものにかかる医療費は入院外(病院の外来にかかる医療費)に計上されます。

それが院外処方になって処方箋を発行するようになると、その処方箋を元に薬局が薬を渡すわけですから、薬そのものにかかる医療費は調剤(薬剤料)に計上されます。

こうして、入院外→調剤(薬剤料)へと医療費の移動が起こるわけです。

これを知らないと、単純に薬剤料の増加を見て、医療費の増大は薬局のせいだと勘違いしてしまうかもしれません。

ちなみに院外処方の割合も、平成16年は50%ちょっとだったのが平成28年は70%を超えてきています。

薬局が受け取る処方箋枚数自体も、1.8億枚増えています

高齢化の影響で患者さん自体が増えているのもありますが、これだけ医療費の移動が起きているということです。

これを知ってもなお、医療費の増大は薬局のせいだと言えるのでしょうか。

確かに伸び率では調剤が大きいのですが、それだって理由は一緒で医療費の移動です。

大事なのは技術料の妥当性

さて、ここまで医療費の増大が薬局のせいではないことをダラダラと書いてきましたが、大事なことは別のところにあると思うんですよね。

つまり、今の調剤薬局にかかってる医療費が適正かということ。

薬剤料は院内処方だろうと院外処方だろうとかかるわけですが、技術料は話が別です。

調剤薬局を維持するための費用が技術料とも言えます。

だいたい処方箋1枚あたり2000円~2500円くらいが技術料なわけですが、それが適正かどうか。

患者さんに妥当だと思ってもらえるかどうか。

そこに尽きると思うんですよね。

例え医療費の増大が薬局の責任ではなくても、薬局の提供するサービスに2000円~2500円の価値があると思ってもらえなければ、薬局に対する逆風は続くのかなと思ってしまいます。

まあ医療は患者さんの顔色ばかり窺っていても良くないんですけどね・・・