社保と薬剤師国保、薬局に就職するならどっちがお得?

薬剤師にとって身近な存在の健康保険。

毎日のように保険証の確認して、「この人は社保」とか「この人は国保」とかやってますよね。

でも意外と意識しないのが自分の健康保険。

薬剤師であればだいたい社保か薬剤師国保に加入してると思うのですが、経営者以外はあまり意識しない部分ですよね。

でも実は、就職先の健康保険によって支払い金額が結構変わることがあります。

そんなわけで今回は、薬剤師にとっての社保と薬剤師国保についてまとめます。

健康保険について

先に健康保険について簡単にまとめておくと、

社保(社会保険):会社で働く正社員や、正社員の3/4以上労働するパートさんなどが加入できる保険。
協会けんぽ「01」健保組合「06」がある。

国保(国民健康保険):個人事業主や無職の方など、他の保険制度に属さない全ての国民が加入できる保険。
→一般的な国保の他にも薬剤師国保医師国保がある。

その他:その他にも、船員保険共済組合がある。

このように分類されます。

おそらく大きめのチェーン薬局に就職した場合は社保の薬業健康保険組合へ加入することになると思います。(本社の所在地で東京薬業だったり大阪薬業だったりします)

一方で、個人薬局や小さめのチェーン薬局の場合には薬剤師国保に加入してる可能性が高いです。

もし興味ある薬局が社保に加入してるのか薬剤師国保に加入してるのか知りたい場合、たいていはホームページや就活サイトに書いてあります。

しかしもし書いてない場合は、直接確認するしかないです。

社保と薬剤師国保の保険料や給付内容

知らない方も多いかと思いますが、社保の中でも協会けんぽや健保組合によって保険料や給付内容が異なります。

薬剤師国保も、都道府県によって保険料が異なります。

協会けんぽの保険料

協会けんぽは主に社保に加入する中小企業から成りますが、都道府県によって全然保険料が異なります。⇒全国健康保険協会

保険料率が一番低い福島県で9.79%、一方で一番高い佐賀県では10.61%です。(介護保険の支払いがある場合にももっと増えます)

額面で月50万円の給与の場合、福島県では48950円佐賀県の場合には53050円となります。

この金額からさらに会社との折半になりますが、それでも毎月2000円の違いがありますね。

健保組合の保険料

健保組合は主に大手企業やそのグループ企業の社員から成りますが、その保険料は組合ごとに異なり、協会けんぽの保険料とももちろん異なります。

例えば東京薬業健康保険組合の場合、保険料率は9.7%。月50万円の給与だと48500円です。折半すると24250円。

協会けんぽよりも少し安いくらいです。

トヨタ社員の保険料は安い

次に比較対象としてトヨタ自動車健康保険組合を見てみると、保険料率は8.3%となっています。東京薬業健康保険組合よりも全然安いですね。

しかもトヨタ自動車健康保険組合の場合、本人と会社が折半ではありません。

本人の負担は3%で、会社が5.3%を負担してくれます。

さすがは世界のトヨタです。

月50万円の給与の場合、本人の負担は月15000円で済みます。

佐賀県の協会けんぽだと本人負担が月26525円ですから、トヨタ社員とは月10000円以上の差があるということですね。

この差は大きい・・・

薬剤師国保の保険料

一般的な国保は市町村ごとに保険料が決まってきますが、薬剤師国保の場合には加入している薬剤師国保ごとに保険料が決められています

東京都薬剤師国保

埼玉県薬剤師国保

見てもらえれば分かりますが、結構差があります。

東京都は平成30年度から保険料が結構値上がりしました。例えば事業主は月5000円、従業員(薬剤師)は月4500円の値上がりです。

一応国保なので、事業種だけでなく家族も保険料を支払う必要があります。

ただこの薬剤師国保、家族の保険料はかなり安く抑えられています。東京都薬剤師国保だと、家族は月たったの12500円、埼玉県ならもっと安く済みます。

社保と薬剤師国保はどちらがお得?

じゃあ、社保と薬剤師国保ならどちらが得なのでしょうか。

単純にどちらが得か言うのは難しいのですが、ここではちょっとしたモデルケースを用いてどちらが保険料を安く抑えられるか見てみます。

※全て東京薬業健康保険組合と東京都薬剤師国保で、個人の負担額(会社の支払い分を除いた額)を計算します。

①35歳の夫(薬剤師、年収600万円)、35歳の妻(専業主婦)、5歳の子供

東京薬業健康保険組合の場合

保険料は24250円(妻と子供は扶養の範囲内)

東京都薬剤師国保の場合

保険料は50000円(夫25000円、妻12500円、子供12500円)

②35歳の夫(薬剤師、年収960万円)、35歳の妻(専業主婦)

東京薬業健康保険組合の場合

保険料は38315円(妻と子供は扶養の範囲内)

東京都薬剤師国保の場合

保険料は37500円(夫25000円、妻12500円)

③20歳の薬剤師(独身、年収500万円)

東京薬業健康保険組合の場合

保険料は19885円

東京都薬剤師国保の場合

保険料は25000円

ほとんどの場合に社保の方がお得!

こうやって見てみると、子供がいない場合に、年収960万円くらい稼いでようやく薬剤師国保の方が保険料が安くなります。

子供がいる場合には、ちょっと薬剤師としては無理なくらいの金額を稼がない限り薬剤師国保の方が安くなることは無さそうです。

これは完全に、社保は会社が半分負担してくれてるからですね。

ちなみに独身の場合には、年収700万円を超えたあたりから薬剤師国保の方が保険料が安くなります

それまでは東京薬業健康保険組合の方が安いです。

こんな感じでかなり雑に計算してますが、薬剤師が普通に従業員として働く分には社保に加入させてくれる会社に就職した方が保険料を安く抑えられることが分かります。

給付内容の違い

実は保険料だけでなく、給付内容の面でも社保の方が得することが多いです。得するのは大きく2つ、

出産手当金

傷病手当金

この2つの給付については、国保(薬剤師国保含む)の場合には任意での給付となるため、ほとんどの国保では給付制度がありません。(医師国保ではたまにあります)

どちらも限定的な給付ですが、出産や傷病によって働けないときに給与を一部保障してくれる大切な給付です。

ですので、険料だけでなく給付の面でも社保の方が有利ということになります。

まとめ

以上、社保と薬剤師国保について簡単に比較してみました。

就職先を探す時にはあまり気にしない部分かもしれませんが、こうやって見てみると結構な差があることが分かります。

もちろん住んでる都道府県などによって色々と変わってくるので、気が向いた時に一度自分の加入する可能性のある社保や薬剤師国保について見てみると良いかもしれません。