処方箋集中率を計算する時に除く家族の処方箋って?

処方箋集中率の算出方法については、ご存知の方が多いかと思います。以前の記事でも簡単に書きました。

以前の記事>>>施設基準に関わる処方箋の受付回数と集中率の正しい算出方法

それが今回の調剤報酬改定から、処方箋集中率を算出する時には職員及びその家族の処方箋を除いて計算することになりました。

これは、職員や家族の処方箋を別の薬局に持って行くことで、その持って行った薬局の集中率を下げることを防ぐのが目的でしょう。

その通知の原文がこちら。

(3) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値とする。

(4) (3)の計算に当たり、同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員をいう。)及びその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居又は生計を一にする者をいう。)の処方箋は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数及び当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数のいずれからも除いて計算する。

(特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 保医発 0305 第3号 <P195>

こういう通知の文章って分かりにくいですけど、ようは先述の通り職員とその家族の処方箋は除いて計算するよってことです。

で、この通知を読んでいるといくつか気になる点が出てきます。

同一グループって?

勤務者って?

家族ってどこまで?

ということで、これらについて簡単にまとめておきます。

同一グループってどこまで?

同一グループっていう言葉は、前回の調剤報酬改定から出てきました。

調剤基本料3(20点)・・・同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に4万回を超える薬局

今回の調剤報酬改定では更に厳しくなりました。

調剤基本料3のイ(20点)・・・同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に4万回を超えて40万回以下の薬局

調剤基本料3のロ(15点)・・・同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に40万回を超す薬局

補足の「財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局」という表現が同じですので、これは同じものを指していると判断して間違いないでしょう。

親会社や子会社などの薬局も全て含めるということです。

でもこれって難しいですよね。

もし自分の薬局に親会社や子会社があったとして、そこで働いてる人の家族まで把握してますか?笑

職員であっても、大きい会社だと知らなかったりしますよね。

かなり適当な計算になりそうです(笑)

勤務者ってどこまで?

薬局で働いてる人に関しては、間違いなく勤務者でしょう。

でも会社には、社長だったりその秘書だったり、普段薬局では働いていない人も多くいます。

大きな会社だと、本社の間接部門の人もそうですよね。

そういった人たちは勤務者に含まれるのでしょうか。

これについては、疑義解釈その1に記載がありました。

(問1)
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合を算出する際に除くこととしている、同一グループの保険薬局の勤務者には、保険薬局に勤務する役員も含まれるか。また、例えば本社の間接部門の勤務者等についても、含まれるか。

(答)
同一グループの保険薬局の勤務者には役員を含める。また、間接部門の勤務者等でも、保険薬局業務に関与する部門の勤務者であれば含める。

疑義解釈資料の送付について(その1)

これは何とも微妙な答えですよね。

「保険薬局業務に関与する部門の勤務者」っていう表現が難しい(笑)

先ほども述べた社長の秘書は、絶対に保険薬局業務には関与してないですよね。

じゃあ経理の人とか営業の人はどうなんでしょうか。

・・・微妙ですよね(笑)

自分なら、微妙な人たちの処方箋は除外して計算します。

その1枚で集中率が大きく変わるとも思えないですしね(笑)

家族ってどこまで?

さらに、勤務者の家族の処方箋も除く必要があります。

家族って一般的にはどの範囲を指すのでしょうか。

同居してる人?1人暮らしして大学に通ってる子供は?

この家族について補足で書かれているのが、「勤務者と同居又は生計を一にする者」というもの。

出ました、生計を一にする者(笑)

医療費控除や扶養控除の時に使われる言葉なので、知ってる人も多そうです。

実はこの「生計を一にする者」という言葉も、ハッキリと定義されているわけではありません。

ただ税法においてはある程度分かりやすく解釈されていて、簡単にいうと以下の通り。

・同居している親族(完全にサイフが別の場合を除く)

・同居していなくても、常に生活費や療養費の送金をしている親族

同居してる親族は、まあ分かりますよね。

常に生活費や療養費の送金をしている親族っていうのは、イメージとしては勤務者が生活費などを仕送りしてる子供

あるいは、施設に入ってて、利用料や医療費を勤務者が負担してる親

そういった人たちも家族扱いとなります。

税法における「生計を一にする者」の解釈をそのまま適用して良いのかは分かりませんが、厚生労働省から何か通知でもされない限りは、同様の解釈で良いんじゃないかと思ってます。

まとめ

以上、処方箋集中率の算出において、気になる点を簡単にまとめてみました。

何でこんなことを気にしなければいけないかって、家族の処方箋は自動で除かれるわけではないからです。

レセコンで家族と考えられる患者にチェックをいれると、処方箋集中率を算出する時にその患者の処方箋が除かれる仕組みなんですよね。

なので、その薬局の解釈次第では処方箋集中率が変わってしまうっていうね。

なんでこんな仕組みにしたんでしょう(笑)

これだと、本当に家族の処方箋が除かれているのか分からない気がするのですが・・・。

そんな不正をする薬局が出てこないことを願うばかりです(笑)

受付回数には家族の処方箋も含める

注意が必要な点として、集中率を算出する時には家族の処方箋を除きますが、単純に受付回数を算出する時には家族の処方箋を含めるということです。

調剤基本料の要件には、集中率だけでなく受付回数も関係してくるものが多いですよね。

先ほどの同一グループの受付回数合計もそうですし、調剤基本料2は受付回数と集中率の両方が関係してきます。

それらの受付回数には家族の処方箋が含まれるので、勘違いしないように注意しましょう。

・・・ほんと、もう少し分かりやすくしてほしいですね(笑)