調剤基本料の特例除外は撤廃か?やはり点数が付くと形骸化する

かかりつけ業務の実施による特例除外の仕組みが無くなりそうです。⇒「かかりつけ月100回」特例除外、廃止か

全体のうち3%の薬局がかかりつけ薬剤師指導料を薬剤師1人あたり月100回以上算定しているそうで、そのうちの4割が特例除外に該当しているそうです。

まさか、こんなことになるなんて誰が想像できたでしょうか。

薬剤師1人あたり月100件です。絶対無理だと思ってました(笑)

関連記事>>かかりつけ薬剤師に一番重要な能力とその理由。紙薬歴の活用法。

おそらく、制度設計した人もそう思ってたのでしょう。

次の報酬改定からは特例除外が姿を消しそうです(笑)

月100件の算定は本当に中身が伴っているのだろうかと思うわけですが、中身が伴わない加算というのは他にもあるんですよね。

今回は、その辺りのことについて記事にしようと思います。

かかりつけ業務による特例除外とは

薬剤師の仕事についてあまり詳しくない人のために、まずは簡単に特例除外について説明しておきます。

前回の記事で調剤基本料について紹介しましたが、薬局によって調剤基本料が異なります。

前回の記事>>薬局の調剤基本料について詳しく紹介

調剤基本料2・3よりも調剤基本料1の方が点数が高いので、多くの薬局が調剤基本料1の算定を目指します。

そして、かかりつけ薬剤師指導料を薬剤師1人あたり月100件以上算定していると、本来は集中率などの関係で調剤基本料2・3の算定になる薬局が、「調剤基本料の特例対象の除外」によって調剤基本料1を算定できるようになります。

これが特例除外です。

当初は絶対に無理だろうと思われた月100件という条件も、いざ始まってみたらこの条件をクリアする薬局が次々と現れました。

その多くは大手チェーン薬局だと思いますが・・・

そうして、次の報酬改定で姿を消そうとしています。

功績を評価して点数が付くという流れ

現在の調剤報酬も、昔からこの形だったわけではありません。

何回も何回も報酬改定を経て今の形になっています。

そして、新しく加わる点数もあれば、消えていった点数もあります。

薬剤服用歴管理指導料

いわゆる「歴管」も、昔からあったものではありません。

薬剤服用歴管理指導料が導入されたのは昭和61年ですが、薬歴自体は昭和38年頃からあったと言われています。

薬歴を残すことで服薬指導の質は間違いなく上がったでしょうし、それが評価されて調剤報酬に点数化されました。

功績が評価されて点数が付いた形です。

ブラウンバック運動

「飲み忘れなどで家に残ってる薬を、ブラウンバックで薬局に持ってきてもらって整理する」というブラウンバック運動も、元々は一部の薬局で行っていたことです。

それが医療費削減といった面で評価され、現在では外来服薬支援料として調剤報酬に点数化されました。

これも、功績が評価されて点数が付いた形です。

普及を進めるために点数を付ける流れ

後発医薬品調剤体制加算

一方で、普及を進めるために点数を付ける場合もあります。

それが以前にも書きましたが、ジェネリック医薬品の普及率。

以前の記事>>薬局の調剤基本料について詳しく紹介

後発医薬品調剤体制加算という点数を作っていなければ、ジェネリック医薬品はここまで普及していなかったでしょう。

点数を付け、しかも徐々に点数を取るためのハードルを上げていくことで、ジェネリック医薬品の普及率は上昇してきました。

点数を付けると形骸化する

このような流れで点数が付けられてきているわけですが、いざ点数が付くと、本来の意義や目的が形骸化して点数を取ることが目的になってしまっています。

薬剤服用歴管理指導料のベタ取り

点数化された経緯を考えれば、患者さんのために薬歴残し、ある条件を満たした場合のみ算定できるのが歴管です。

しかし、今となってはどうでしょうか。

歴管を算定するために薬歴を書いてる人がほとんどです。

「本当にこの人に歴管の算定は必要か?」という検証が全くされていません。

かかりつけ薬剤師指導料

かかりつけ薬剤師指導料も同じで、特例除外のために必死に算定するだけで、「本当にこの人にかかりつけ薬剤師が必要か?」という検証はされていません。

算定するためには同意書への署名が必要ですが、かなり強引な署名の貰い方をしている薬局の噂も耳にします。

点数化される前から『かかりつけ薬剤師』として働いている薬剤師は数多くいたわけですが、点数化したことでかえって、これまでの功績が台無しになってしまった印象です。

これでは、薬剤師の調剤技術料が高すぎるという批判や、特例除外の撤廃も当然かなと思ってしまいます。

まとめ

以上、かかりつけ業務による特例除外の撤廃や、調剤報酬への点数化までの流れなどダラダラと書いてきました。

言いたいこととしては、

功績が認められてせっかく点数化したんだから、もっと大切にしていこうよ

かかりつけ薬剤師指導料も、このままだと形骸化して無くなるんじゃないの

ということです。

ポリファーマシーやEBMの行方は?

このように、野生の動物かのように点数化されたものに飛びついていく薬局・薬剤師がいる一方で、ポリファーマシーEBMのような点数化されていない行為で患者さんに貢献していこうとする薬剤師もいます。(ポリファーマシーは一部点数化されています)

このような行為が将来的にどうなるか分かりませんが、もしかしたら調剤報酬の点数になる可能性もあります。

しかしこれまでの流れを考えると、下手に点数化されると、また本来の目的や意義など関係なしに算定する人たちが現れ、結局は形骸化してしまうような気がします。

そういう意味では、ポリファーマシーやEBMは下手に点数化されない方が良いのかなと思ってしまいます。

それらの行為が一般化してくれば、健康保険を使わずに実費でサービスを提供することも可能ですからね。