薬局の調剤基本料について詳しく紹介

平成22年の4月から、医療機関において明細書の無料発行が原則義務化となりました。

これによって、誰でも医療機関において、どんな行為に対して料金を支払ったのか知ることが出来るようになりました。

調剤明細書

ただ見て分かる通り、その明細書がまあ難しい。

はっきり言って医療関係者しか見ても分からないです。

そんなわけで、薬局における明細書の内訳について簡単に紹介しようと思います。

今回は調剤基本料について。

ちなみに、点数が出てきますが1点=10円と考えてもらえればOKです。

調剤基本料は調剤技術料の一部

薬局で薬を貰うことで発生する料金は

調剤技術料+薬学管理料+薬剤料+特定保険医療材料料

から成ります。

このうち、調剤基本料は調剤技術料に含まれます

調剤基本料は毎回かかる

調剤基本料は、病院の初診料や再診料とよく比べられます。

ようは処方箋を渡して薬を貰う度に誰でも毎回かかる料金だからです。

調剤基本料は薬局によって異なる

これを見て貰えば分かると思いますが、調剤基本料は薬局によって異なります。(これによって、同じ薬を貰う場合でも、貰う薬局によって料金が異なるという事態が生じます)

その内訳を見てみます。

調剤基本料1~5と特別調剤基本料

調剤基本料1:41点
調剤基本料2:25点
調剤基本料3:20点
調剤基本料4:31点
調剤基本料5:19点
特別調剤基本料:15点

これは、いわゆる調剤基本料の母体部分です。

全ての薬局がこの6つの中のどれかに当てはまります。

この基本料に、薬局によっては後述の基準調剤加算後発医薬品調剤体制加算が加わり、調剤基本料となります。

調剤基本料=調剤基本料1~5or特別調剤基本料+(基準調剤加算)+(後発医薬品調剤体制加算)

実際にはほとんどの薬局が調剤基本料1~3に当てはまるので、この3つについて簡単に紹介します。

調剤基本料3:20点

同一法人グループ内の処方せんの合計が月40,000回超
 かつ 次のいずれかに該当
  イ)集中率95%超
  ロ)特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係あり

調剤薬局もチェーン展開しているところが増えていますが、「チェーン薬局は儲け過ぎ!」という批判を受けて設定された基本料です。

チェーン薬局で集中率が95%を超えるような、いわゆる『門前薬局』が調剤基本料3となります。

門前薬局
病院のすぐ近くにある薬局。病院の門を出たら目の前にある薬局なので門前薬局と言われます。病院を出てすぐに薬を貰えるメリットがあります。
集中率
処方せん集中率なんて言ったりもしますが、薬局が応需する処方せんのうち、主となる医療機関の処方せんが占める割合のことです。門前薬局であれば門前の病院の処方せんがメインとなるので、集中率は高くなります。門前に病院の無い薬局であれば、色々な病院の処方せんを応需することになるので集中率は低くなります。

調剤基本料2:25点

処方せん受付回数および集中率が、次のいずれかに該当
 イ)月4,000回超 かつ 集中率70%超
 ロ)月2,000回超 かつ 集中率90%超
 ハ)特定の保険医療機関に係る処方せんが月4,000回超

調剤基本料2は、集中率がそれなりに高く、かつ1ヶ月の処方せん枚数も多いような大型店舗が当てはまります。

調剤基本料1:41点

調剤基本料2でも調剤基本料3でもない薬局

調剤基本料1が一番シンプルで、調剤基本料2でも3でもない薬局です。

調剤基本料1が41点で一番高くなるので、多くの薬局は調剤基本料1を目指します。(患者さんの薬代は高くなります)

そこでネックになるのが集中率

門前薬局だと、なかなか集中率95%や90%以下にはなりません。

しかしどうにか調剤基本料1を算定しようと、不正をして集中率を下げる薬局が出てしまったわけです。

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基準調剤加算

基準調剤加算:32点

調剤基本料1~5or特別調剤基本料に加えて、条件を満たす一部の薬局には基準調剤加算が付きます。

条件はかなり多くて大変なのですが、一部を挙げると

・1200品目以上の医薬品を備蓄している

・24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制が整備されている

・平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週45時間以上開局

・管理薬剤師は5年以上の薬局勤務経験がある

他にも色々ありますが、全てを満たすのは結構大変です。

「平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週45時間以上開局」という条件のせいでお盆も休まず営業しなくてはいけなかったことは、以前にも記事にしました。

以前の記事>>薬局で働くなら正確に理解しておきたい「国民の祝日」。お盆は?年末年始は?

大変ではありますが、処方箋1枚につき32点。金額にすれば320円です。

1ヶ月に1000枚の処方箋を受け付ける薬局なら、32万円になります。

この基準調剤加算を算定するために在宅業務に取り組んでいる薬局も多いのが現状です。

後発医薬品調剤体制加算1・2

後発医薬品調剤体制加算1 :18点
後発医薬品調剤体制加算2 :22点

現在、後発医薬品の普及率は約65%となっています。

5年前には25%程度だったことを考えると、かなりのペースで普及したことが分かります。

関連記事>>後発医薬品の普及は確実に進んでいる。80%達成の手段は?

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この普及の背景に、後発医薬品調剤体制加算があります。

(加算の条件)
後発医薬品調剤体制加算1: 後発医薬品の調剤数量が65%以上の場合
後発医薬品調剤体制加算2: 後発医薬品の調剤数量が75%以上の場合

このように、患者さんに後発医薬品を渡す割合が高ければ高いほど、加算を付けられるわけです。

こうやって目の前に餌を垂らすことで、後発医薬品の普及率は上がってきました。

もちろん、患者さんや国の医療費のことを考えて善意で後発医薬品を勧めている部分もあります。

しかし善意だけでは、ここまで普及は進まなかったでしょう。

先発医薬品で貰っても 後発医薬品調剤体制加算は付く

逆に患者さん側からすれば、後発医薬品を渡す割合の高い薬局に行くと料金が高いということになります。

たとえ自分は先発医薬品で貰っていても。

なぜなら、その薬局で薬を貰おうとする全ての人にかかる調剤基本料への加算だからです。

先発医薬品で貰ってる人からすれば、「何だそりゃ!」って話ですよね。

でも現在の制度ではそうなっています。

調剤基本料は薬局の運営経費にあたる

以上、調剤基本料について簡単に紹介しました。

処方箋を渡して薬を貰う度に誰でも毎回かかる料金

薬局によって異なる

調剤基本料=調剤基本料1~5or特別調剤基本料+(基準調剤加算)+(後発医薬品調剤体制加算)

国によって決められていることではありますが、薬局によって料金が異なるというのは、利用する側からすれば不思議かもしれません。

ちなみにこの調剤基本料ですが、薬局の運営経費にあたることを厚生労働省は明らかにしています。

でも、医療関係者でなければ薬局の運営経費なんてサッパリ分からないですよね。

その辺り、また今度記事にしようと思います。