デスモプレシン点鼻液・スプレー・経口薬それぞれの特徴を比較

デスモプレシン製剤には、点鼻液・スプレー・経口薬と数種類の剤形があります。
(注射もありますが、薬局では目にする機会が無いので今回は触れないでおきます)

それぞれの剤形が目的をもって開発されていて、その経緯を知るとなかなか面白い薬です。

普段はあまり触れることのない薬ではありますが、今回勉強する機会があったので簡単にまとめておこうと思います。

デスモプレシン製剤の種類

今現在、日本で承認されているデスモプレシン製剤は

・デスモプレシン点鼻液0.01%協和250μg
・デスモプレシンスプレー2.5協和125μg
・デスモプレシンスプレー10協和500μg(後発あり)
・ミニリンメルトOD錠60μg、120μg、240μg

があります。

デスモプレシン製剤の発売の順番

発売の順番としては、

・まず最初にデスモプレシン点鼻液が発売。

・点鼻液は使い方が難しいので、使いやすいデスモプレシンスプレー2.5が発売。

・異なる適応を持つデスモプレシンスプレー10が発売。

・コンプライアンスの向上、副作用の軽減を目的に、経口薬ミニリンメルトODが発売。

このような順番となっています。

それぞれ、他の製剤の悪い部分を改善する目的で点鼻液→スプレー→経口薬と開発されてきているのが特徴です。

適応の違い

製剤によって少しずつ適応が異なります。

・デスモプレシン点鼻液0.01%協和
・デスモプレシンスプレー2.5協和125μg
中枢性尿崩症のみ

・デスモプレシンスプレー10協和500μg
夜尿症のみ

・ミニリンメルトOD錠
中枢性尿崩症と夜尿症の両方(60μgは中枢性尿崩症のみ)

デスモプレシン製剤の濃度

数字が色々と書いてあって分かりにくいのですが、製剤の濃度がそれぞれ

・デスモプレシン点鼻液0.01%協和
100μg/mL(1瓶2.5mL)

・デスモプレシンスプレー2.5協和125μg
25μg/mL(1瓶5mL)

・デスモプレシンスプレー10協和500μg
100μg/mL(1瓶5mL)

上記の通り、点鼻液0.01%協和とスプレー10協和500μgは、点鼻液かスプレーかの違いだけで濃度は同じになります。

ちなみに、スプレーの場合は1噴霧で約0.1mLが噴霧されます。

なので、スプレー2.5では1噴霧で2.5μg噴霧されますし、スプレー10では1噴霧で10μgが噴霧されます。

ここまできてようやく、商品名の数字の意味が分かりました(笑)

さらにいえば、商品名の最後の125μgとか500μgっていうのは、1瓶に含まれるデスモプレシンの量になります。

そんなこと、ちゃんと説明してくれないと何の数字だか分からないですよね(笑)

デスモプレシン製剤の副作用

デスモプレシン製剤において絶対に覚えておかないといけない副作用が低ナトリウム血症(水中毒)です。

初期症状に疲労感や頭痛、吐き気があり、重症例になってくると痙攣や死亡にまで至ってしまうこともあります。

この副作用を防ぐため、デスモプレシン製剤は厳密な投与量のコントロールと、コンプライアンスの厳守が必要となります。(ミニリンメルトOD錠より、点鼻液・スプレーの方が副作用が多い)

低ナトリウム血症を避けるための注意点

低ナトリウム血症を避けるため、添付文書にも使用法の注意が書かれています。

夜尿症の場合

夕食後から翌朝までの飲水は極力避ける。

ミニリンメルトOD錠の場合

食事の影響で血中濃度が大きく落ちるので、食直後の服用は避ける

同様の理由で空腹時服用は食後服用よりも血中濃度が約3倍にまで上昇するので、食前・食後の用法指示を必ず守る

デスモプレシン製剤について調べたきっかけ

ここまで色々書いてきましたが、今回デスモプレシン製剤について調べたきっかけは、中枢性尿崩症でミニリンメルトOD錠を服用している患者さんから

「ミニリンメルトは服用前後の食事の縛りが多くて面倒くさい。何か良い方法は無いか。」

という質問があったからです。

確かに経口薬は点鼻液やスプレーよりも使用が楽ですが、そのぶん食事の影響が大きくなってしまいます。

じゃあ点鼻やスプレーを使ってもらえば良いかというと、それまた微妙ですよね。

どちらも手技によって効き目に差が出る印象です。それによって副作用も多くなっています。

それぞれの特徴をお伝え

というわけで結論としては、それぞれの特徴を伝えてあとは医師と相談してもらうことにしました。

患者さんが点鼻液やスプレーを希望しても、医師が慣れていなかったら処方してくれないでしょうからね。

まとめ

以上、デスモプレシン製剤のそれぞれの特徴についてまとめました。

それぞれで適応も違うし、注意することも違います。

なかなか厄介な薬だということが分かりました(笑)

夜尿症も中枢性尿崩症も、飲水の制限は厳しいし服用時点も厳格に守っていかないといけません。

厄介な薬ではありますが、副作用を防いでしっかりコントロールしていくためにも、薬剤師のフォローが重要な薬だと思います。

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