OD錠を発売する本当の理由

リクシアナ、リリカ、メマリー、オルメテック、クレストール・・・続々とOD錠が発売されています。(第一三共多いな・・・)

薬局側としては、ハッキリ言って面倒です。

制度の問題で、OD錠で処方されると普通錠に変更できないですからね。(ジェネリックに変更すれば可能)

在庫が増える一方です。

そして2013年のデータではありますが、「医師の半数以上はOD錠にメリットを感じない」という調査結果もあります。⇒医師の半数以上OD錠にメリット感じない 多剤服用患者や一包化に不向き メドピア調査

それでも、メーカーはOD錠の開発を続けます。敢えて普通錠よりも後からの発売で。

そんなわけで今回は、

「メーカーはなぜOD錠を開発するのか?」

という疑問を、友人のMRにも話を聞きながら検証してみようと思います。

ジェネリック対策?

数年前までは、このジェネリック対策という理由が主でした。

ちょうどジェネリックが発売になる少し前に、各メーカーはOD錠を発売していた記憶があります。

そうしてOD錠を処方してもらえば、ジェネリックにOD錠が無ければジェネリック変更できないですからね。

ただ、このジェネリック対策というのは最近では意味が無くなりました。

ジェネリック変更の際にOD錠→普通錠の変更が可能になったからです。(何年か前までは剤形変更が出来ませんでした)

先発のままお渡しする場合には剤形変更できませんが、ジェネリックに変更する際にはできます。

これによって、製薬会社からすればジェネリック対策としてのOD錠発売は意味がなくなったわけです。

患者さんのため?

営業に来るMRさんの多くは、コンプライアンスの改善を理由に挙げます。

何種類もの薬を飲む場合に、OD錠が多いと飲みやすくなるんだとか。

それによってコンプライアンスが改善したという研究データを見せてもらったこともありますが、現場で働く人間としては「そんなに変わるか?」という印象です。

変わるとしたら、せいぜい吐き気止めや睡眠薬、鎮痛薬などの頓服薬でしょうか。

これらは確かに、OD錠であることのメリットを感じます。外出時などに水なしで服用できますからね。

ただ、そういった患者さんのことを考えてOD錠を発売するなら

最初からOD錠で発売しろよ

という話です。

以前はOD錠を作る技術がそこまで高くなかったのでしょうが、今では多くのメーカーがOD錠を発売しています。

作ろうと思えば、新薬を最初からOD錠で発売することも可能なはずです。

そうなってくると、「患者さんのためにOD錠を発売する」というのは完全に建て前の理由ですよね。

友人のMRに聞いてみた

ということで、考えても分からないので友人のMRに聞いてみました。

色々と想像するよりも直接聞いてしまった方が早いし確実ですからね(笑)

そうしたところ、教えてくれた理由は大きく2つでした。

①同系統薬の中でシェアを拡げる

同系統の薬の中でシェアを奪える。

これが1つの理由としてあるようです。

例えば、ARBは2013年までOD錠がありませんでした。

そんな中でディオバンが最初にOD錠を発売したわけですが、OD錠の有用性の評価は置いといて、医師への営業に「ARBの中で唯一のOD錠」という言葉を使えます。

もしOD錠を求める患者さんがいれば、OD錠のあるディオバンへの変更が検討される可能性があります。

そうすることで、同系統の薬の中でシェアを拡げられるわけです。

②併売相手にシェアを奪われるのを防ぐ

1つめの理由はなんとなく想像できていたのですが、もう1つの理由が結構面白かったです。

これは発売する理由というよりも、発売されたOD錠をMRが必死に営業する理由になります。

クレストールが分かりやすいのですが、クレストールはアストラゼネカと塩野義の併売です。

昨年クレストールOD錠が発売されたわけですが、それまでアストラゼネカのMRから営業を受けてクレストール錠を処方していた医師のところに、塩野義のMRがクレストールOD錠の営業に行くことがあるそうです。

基本的に併売の場合、両社である程度連携を取ります。

しかし、地域によっては連携が上手くいかずに両社のMRが競い合ってしまうことがあるそうです。

そのような地域では、OD錠の発売を機に併売相手にシェアを奪われないよう、上記の例でいえばアストラゼネカのMRが、塩野義のMRに割り込まれないよう先に処方をOD錠に変更してもらうわけです。

もちろん、併売のうちどちらのメーカーの薬を患者に渡すかは薬局が決めることなので、医師だけでなく門前薬局にも「今度からDrがOD錠を処方されるそうなので弊社のOD錠を在庫お願いします。」と伝えるわけです。

まとめ

薬価も変わらず、ジェネリック対策にもならないOD錠を各メーカー発売し、必死にMRが営業するのは

同系統薬の中でシェアを拡げる

併売相手からシェアを奪われるのを防ぐ

こういった理由があるようです。

言ってみれば攻めの理由守りの理由ですね。

もしかしたら他にも言えない理由があったり、メーカーによって別の理由があるかもしれません。

そこはご想像にお任せします(笑)

メーカーの販売戦略なので仕方ない部分もあるのですが、薬局にはそれなりに負担がかかっていることを分かった上で営業をかけてもらえればと思います。

関連記事

▼MRがふざけた営業をかけてきた時の話▼

「武田」というブランドを押し売りするMR。薬局をなめてるんですか?

2017.07.05

▼OD錠に変更して副作用が出る可能性の話▼

OD錠で口内炎?製剤の影響による副作用にも注意を!

2017.08.21

コメントを残す