用途地域の指定によって薬局を建てられない地域は意外と多い

薬局の開設に距離制限があったなんて信じられないほど、薬局がいたるところに乱立している昨今。

皆様いかがお過ごしでしょうか。(薬局の距離制限を知らない方はこちらを参照⇒薬局距離制限事件

これだけ色んなところに薬局があると、もはやどこにでも薬局を開設できると思ってしまいますよね。

でも、意外と薬局を開設できない地域って多いんです。

これは薬局に限らずドラッグストアなどの商店も同じで、もし今後自分で何か商売しようとした時に知っておいて損はないはずです。

そんなわけで今回は、都市計画法や建築基準法に絡めて薬局を建てられない地域を紹介しようと思います。

用途が限定されてる地域がある

駅前には商店が乱立していたのに、少し歩いたらすぐに住宅街。そんな光景って結構多いですよね。

今自分が住んでる地域もそうです。

実はこれって自然とできた光景ではなくて、都市計画法という法律で用途を限定してるんです。

用途地域の指定

都市計画法に基づいて、おおむね5年に1度、全国一斉に用途地域を指定します。

例として埼玉県大宮駅周辺の用途地域マップがこちら

用途地域マップ

きれいに色分けされていますが、用途地域には12種類あります。それがこちら

12種類の用途地域

上の画像を見てもらえば分かると思いますが、『第一種住居地域』や『商業地域』のように分けられていて、それぞれ建築できる住居や施設が限定されています。詳しくはこちら⇒用途地域による建築物の用途制限の概要

この区分けがあることによって、

「住宅街に突然パチンコ屋ができてうるさくなった!!」

とか、

「突然となりに高いビルが建って日が当たらない!!」

といった問題が起こらないようにしてるわけです。

薬局は『店舗』扱い

建築物の種類によって、それぞれどの用途地域なら建てられるか決まっていることが分かるかと思います。

それでは、薬局はどの用途地域なら建てられるのでしょうか

この表を見ていっても、薬局という名前はありません。

実は建築物の種類において、薬局は『店舗』という扱いになるのです。

さらに『店舗』にも種類があるわけですが、薬局は『物品販売店舗』という扱いになります。(形態によっては『日用品販売店舗』となる場合もあるようです)

薬局が物品販売店舗ですか・・・という気持ちも分かりますが、これは国土交通省によって決められていることなので仕方ありません。

薬局を建てられない地域

では、『店舗』はどの地域だと建てられないのでしょうか。

用途制限の概要

店舗の床面積にもよりますが、『第一種低層住居専用地域』には間違いなく建てることが出来ません。広さや形態によっては『第二種低層住居専用地域』にも建てられない場合があります。

となると、『第一種低層住居専用地域』や『第二種低層住居専用地域』はどんな地域を指すのでしょうか。

イメージとしては、閑静な住宅街です。

閑静な住宅街に薬局ってあまり見ないですよね。これは、都市計画法によって用途が限定されているからなんです。

土地を購入したことがある人は知っているかもしれませんが、一軒家を建てるための土地を購入する時は『第一種低層住居専用地域』の土地を購入しておけば間違いないなんて言われたりもしています。

診療所はどこにでも建てられる

改めてこの用途地域による建築物の用途制限の概要を見てもらうと、病院は建てられない地域がありますが、診療所はどこにでも建てられることが分かるかと思います。

病院と診療所

診断所=診療所です。

じゃあ、閑静な住宅街に診療所を建てた場合、門前に薬局を建てることは出来ないのでしょうか。

実はそんなことありません。

少し手間がかかりますが、薬局を建てることは可能です。

第一種低層住居専用地域に薬局を建てる方法

一番条件の厳しい第一種低層住居専用地域において薬局を建てる方法を2つ紹介します。

①兼用住宅にする

簡単に言えば、住宅兼薬局を建てることです。

兼用住宅の用途制限に関しては、「店舗部分の床面積が50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1未満」という条件を満たせば、住宅を建てられる地域であればどこにでも建てて良いとされています。

これによって閑静な住宅街には、薬局に限らず住宅を兼ねた小さな店舗が多くなっているわけです。

※各地区で定められた協定などによって、法律以外の部分から制限されていることもあるので事前に確認が必要です。

②特定行政庁の許可を得る

兼用住宅であれば問題ないと言っても、現実的には兼用住宅で薬局の要件を満たすのはなかなか難しいです。

実際に『第一種低層住居専用地域』には単独の薬局が建っています。

ではそういった薬局はどうしたのかというと、特定行政庁の許可を得て建てているんです。

もし診療所が院外処方箋を出すと言っているのに、近くに薬局が無かったら不便ですよね。

そういった公益上やむを得ない場合に、騒音等の対策をして周辺住民の理解が得られれば、特定行政庁の許可を得て薬局を建てることができます。

特定行政庁っていうのは地域によって変わるのですが、基本的には都道府県知事や市町村長のことを指します。

つまり、結構面倒くさいってことです(笑)

しかし、面倒くさいですがそれをすることによって、『第一種低層住居専用地域』であっても薬局を建てることが出来るわけです。

今後かかりつけ薬局はどこに建てる

以上、都市計画法や建築基準法を絡めて薬局を建てられない地域を紹介しました。

この用途地域の限定に関して一つ気になるのが、現在の薬局にはかかりつけ機能を求められているということです。

個人的な意見ですが、患者さんはかかりつけ薬局を家の近所に持つべきです。絶対にその方が使い勝手が良いです。

そうなると、可能であれば薬局は住宅街に建てるべきだと思うんですよね。

ただそこには用途の限定があるわけです。紹介したような方法で建てることもできますが、あまり住宅街に薬局が増えるのも嫌ですよね。

建てるための手続きも面倒だし(笑)

そんなわけで、今後の薬局はどういった地域に建てていくのがベストなんだろうというのが最近の考え事です。

結論は出てません(笑)

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