伯方の塩なのに産地はメキシコ?

先日友人と話していて、

「伯方の塩って博多(福岡県)で作ってるんじゃないの!?」

という話題で盛り上がりました。

「いやいや、伯方は伯方島(愛媛県)だし漢字も違うし全然違うわ!」

という当たり前の話なんですが、ちょっと調べてみたら、単純に伯方島で作った塩というわけでもなかったんですよね。

というわけで今回は、その辺りのことについてまとめます。(決して伯方の塩の宣伝ではありません笑)

塩の製法

伯方の塩の前に、簡単に塩の製法について紹介しておきます。

①岩塩

岩塩

最近では岩塩という名前もメジャーなので、おそらく聞いたことがあるのではないでしょうか。

岩塩がどうやってできるかというと、海水が地殻変動によって地中や陸上に閉じ込められ、水分が蒸発することで塩が結晶化します。

陸上に閉じ込められたものを湖塩とも言うのですが、ウユニ塩湖なんか有名ですよね。

ウユニ塩湖

ただこれだけだと岩塩にはならなくて、さらにこの上に土砂などが堆積し、地中に埋もれることで初めて岩塩のように硬くなります

なので、岩塩は地層から採掘する必要がありますし、その岩塩は何億年も前に結晶化したものの場合もあるわけです。

②海塩(天日塩)

塩田

海水を塩田に引き込み、1~2年かけて濃縮し塩を結晶化する製法です。

海水を引き込む必要があるということで、海に平地が面している必要があります。

現在では主にメキシコやオーストラリアなど、砂漠と海が面している地域で行われています。

日本でも以前はこの塩田の製法が行われていましたが、徐々に後述のイオン交換膜製塩法が取り入れられていき、塩田は全廃となりました。

③イオン交換膜製法

化学製法なんて言われたりもしますが、天候や土地の影響に左右されないので、現在主流の製法です。

まずは海水を、イオン交換膜を使ってマグネシウムやカルシウムを取り除きます

そうしてできた塩化ナトリウム(NaCl)の純度が高い海水を釜で加熱することで、純度の高い塩(NaCl)を結晶化させることができます。

コンビニやスーパーで販売されている塩の多くは、このイオン交換膜製法によって作られています。

純度の高い塩
インターネットで塩について調べると、よく「スーパーやコンビニで買える塩は純度が高すぎるので体に悪い」という記事を目にします。これは間違いで、確かにイオン交換膜製法で作った塩は純度が高いです。しかし、純度が高いことが体に悪いわけではありません。マグネシウムやカルシウムが含まれていないだけです。それらのミネラルは他の食材からも摂ることができます。そうやって危機感を煽って高い塩を売りつけようとするサイトもあるので注意しましょう。

以上、

・岩塩
・海塩(天日塩)
・イオン交換膜製法

の3つの製法について紹介しました。

この他にもマイナーですが、山塩といって海が無い場所で源泉(塩泉)を煮込んで塩を取り出す方法もあります。

日本における塩の製法

先ほど簡単に日本のことについて触れましたが、もう少し詳しく日本での塩の製法について紹介します。

まず日本では、岩塩が取れません。もともとの資源が無いからです。

そして、塩田による製法も現在では行われていません。平地が少ないうえに雨も多く、土地や気候が向いていないからです。

教育施設として一部地域で行われていたりもしますが、産業としては行われていません。

このような理由から、現在日本で作られている塩のほとんどはイオン交換膜製法によって作られています。

長野県などの温泉地帯では山塩を作っているところもありますが、量がきわめて少なく「幻の塩」なんて呼ばれています。

伯方の塩の製法は?

さて、ようやく伯方の塩についての紹介です(笑)

そもそも伯方島(愛媛県)では、1971年まで塩田によって塩を作っていました。

その後、塩田が廃止されて塩の製造は止まってしまうのですが、なんとか「伯方の塩」という名前を残したいとの思いで販売しているのが伯方の塩なんです。

でも、塩田はもう廃止されています。

じゃあどうやって作っているのかというと、メキシコの塩田で作られた天日塩を輸入し、日本の海水に溶かして再結晶し、ゴミや泥を取り除いて「伯方の塩」を作っているのです。

・・・どう思います?

いくら「伯方の塩」という名前を残したいといっても、ちょっと無理やりな気がしませんか?笑

そんなことで伯方の塩の歴史は守られていると言えるのかと思ってしまいます。

ちなみに、「伯方の塩」の裏面に書かれている内容がこちら。

「伯方の塩」裏面

なんか言い訳のようなことが書いてありますね(笑)

原材料名のところを見るとしっかり天日海塩(メキシコ)と書かれています。

これを「伯方の塩」として販売しても良いのか気になるところですが、おそらく最終加工が伯方で行われているので問題ないのだと思います。

最終加工も他の土地で行われていたら、おそらく「伯方の塩」とは名乗れないでしょうね(笑)

商品名よりも食品表示を信じよう

以上、塩の製法と伯方の塩について紹介しました。

おそらく、同様の商品というのは数多くあります。

ただ、商品名は誤魔化しがきいても食品表示は誤魔化しがきかないことが多いです。

何か商品を購入する時は、商品名だけでなく食品表示も確認するクセを付けたいですね!

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