生活保護の患者さんだけ原則ジェネリックに

厚生労働省が来年度から、生活保護の患者さんは原則ジェネリック医薬品の使用とする方針を固めたそうです。

現場サイドからすれば、

「あれ?これまでも原則ジェネリックじゃなかったっけ?」

といった印象なのですが、これまでとどのように変わるのか。

また、個人的に気になる点として

「なぜ生活保護だけ?それなら指定難病や小児も原則ジェネリック医薬品にするべきでは?」

なんて思ったりもするので、その辺りのことを記事にしようと思います。

原則ジェネリックの現在の状況

ジェネリック医薬品の推奨は以前から行われていることですが、2014年1月から生活保護法の改正によって、生活保護の患者さんは原則としてジェネリック医薬品を使用することが明文化されました。

生活保護法
(医療扶助の方法)
343医療を担当する医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促す

また、厚生労働省からも幾度となく、生活保護の患者さんに対してジェネリック医薬品の使用をお願いする通知が出ています。おそらく最新の通知が2015年3月のこちら⇒生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取扱いについて

これらを受けて自治体は、生活保護の患者さんに先発医薬品を調剤する場合には、理由を記入した書類の提出を求めています。

ただ、推進するだけでなく明文化されたことは大きいのですが、いかんせん義務ではなく努力義務。罰則があるわけではありません。

どの程度徹底されているかは自治体によってまちまちで、都道府県単位でみるとジェネリック医薬品使用率にかなりの差があるのが現状です。

来年度からの原則ジェネリック

2015年3月の通知では、ジェネリック医薬品への取り組みについて、

生活保護制度においては、処方医が一般名処方を行っている場合または銘柄名処方であって後発医薬品への変更を不可としていない場合には、後発医薬品を原則として使用することとする。

と記述されています。

では来年度からはどうなるのか。

調べた限りだと、

後発薬の在庫がないときや、病状によって先発薬が望ましいと医師が判断した場合を除き原則として後発薬を処方

とのことです。

つまり、これまでは薬局においてジェネリック医薬品変更の努力をしていたものを、来年度からは処方自体を原則ジェネリック医薬品にするとのこと。

確かにその方がジェネリック医薬品使用率は高くなるでしょうが、

病状によって先発薬が望ましいと医師が判断した場合を除き

ここの解釈次第では全く意味を成さない可能性までありそうです。

厚生労働省がどのように仕組みづくりをするのか、気になるところです。

ジェネリック医薬品使用率

ところで、現場で働いていると、生活保護の患者さんはあまりジェネリック医薬品に変更してくれないイメージがあります。

基本的に自己負担金が無いわけですから、当然といえば当然です。

ジェネリック医薬品の1番のメリットである薬代の安さが通じないですからね。

事実、数年前までは生活保護の患者さんのジェネリック医薬品使用率は、生活保護でない人と比べて低かったです。

しかし、厚生労働省の発表したデータ(平成28年)を見てみると、

・全体のジェネリック医薬品使用率:約67%

・生活保護患者のジェネリック医薬品使用率:約69%

ということで、実はすでに使用率は逆転しているわけです。

そうなってくると、なぜ更に生活保護の患者さんだけ原則ジェネリックを進めるのでしょうか。

生活保護の患者さんだけ原則ジェネリックは差別的

ジェネリック医薬品使用率がすでに逆転している状況を考えると、原則ジェネリックとするのは生活保護の患者さんだけでなく、全ての患者さんを対象にするべきではないかと思うわけです。

もちろん、生活保護の患者は自己負担ゼロで、国の医療費に与える影響が他の患者さんよりも大きいというのも分かります。

でもそれなら、小児や指定難病のような他の自己負担ゼロの患者さんも、原則ジェネリックにするべきです。

生活保護の患者さんは原則ジェネリックというような仕組みを誰が考えているのか知りませんが、なんとなく生活保護の人を下に見てるというか、厄介者扱いしてるような感じがして好きではありません。

そんなことよりも、生活保護の捕捉率を上げるとか、もっとやるべきことをやってほしいところです。

まとめ

以上、生活保護患者の原則ジェネリックについて、まとめて記事にしてみました。

国の医療費が大変な状況であることは間違いないのですが、だからといって生活保護患者の原則ジェネリック化は悪手だと思います。

差別的なイメージもあるし、ハッキリ言って効果が薄いと思います。大きな逃げ道も作ってあるし・・・

仕事をしたという実績を残したいのだろうと思いますが、もう少し何か良い手はないのかなと思ってしまいました。

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