【解説】薬局の損益分岐点を変動費と固定費から考える

前回の記事を書き終えた時、次は薬局の収益構造から利益を増やす方法を考える記事を書こうと思っていました。

でも止めます!!笑

というのも、ここ1ヶ月くらいの情勢からして、このタイミングで利益を増やす方法を考える記事なんて書くのは空気読めてないと思うんですよね(笑)

なので、そのうち適当なタイミングで投下しようと思います。だって、すでにほぼ書き終えてますからね・・・

そんなわけで今回は、誰でも多少は聞いたことがありそうな損益分岐点について、薬局の収益構造に当てはめながらシンプルに紹介しようと思います。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、簡単に言えば売上と費用が等しくなる売上高となります。

つまり、それ以上の売上なら利益が出るし、それ以下の売上だと損失となります。

もし個人で薬局を経営してたら、本当に最低限の目標値ということです。

変動費と固定費

損益分岐点を算出するために、まずは変動費と固定費を知っておく必要があります。

一般的に、費用というのは変動費と固定費に分けられます。

変動費:売上に比例して増加する費用

固定費:売上に関係なくかかる費用

薬局で言えば、

変動費:薬の仕入れ費用など

固定費:人件費、賃貸料、光熱費など

このようになります。

処方箋を受け付けて、薬を渡せば渡すほど薬の仕入れ費用も増えますよね。なので変動費です。

賃貸料や光熱費は、どれだけ処方箋を受け付けて売上が増えてもほぼ変わりません。なので固定費となります。

人件費に関しては、処方箋枚数が増えれば薬剤師や事務を増やさなくてはいけないので変動費のような気もしますよね。

でも固定費とするのが一般的です。

逆に考えれば、もし処方箋を1枚も受け付けなかったとしても人件費はかかるからです。

突然処方箋が1枚も来なくなるとか怖ろしいですけどね(笑)

他にも色々と費用はかかると思いますが、経験としてはほぼ固定費です。

損益分岐点の算出

費用を変動費と固定費に仕分ければ、もう損益分岐点は簡単に算出できます。

利益=売上−費用

これはまあ普通の式として、前述の通り売上=費用となった時が損益分岐点です。利益がゼロの時ですね。

費用は変動費と固定費に分けられるので、

売上=変動費+固定費

売上−変動費=固定費

つまり、売上から薬の仕入れ費用を引いた金額が、固定費と同じになるのが損益分岐点となります。

売上から仕入れ費用を引いた金額は、前々回の記事でも書きましたが薬価差益+技術料ですよね。売上の大体32.5%です。

この、薬価差益+技術料という金額を積み重ねていって、固定費を超えれば一安心、赤字にはなりません。

と、まあ言われてみれば当たり前のことですよね。

でも、そんなもんです(笑)

損益分岐点の使い方

たまに他の店舗に行くと、「ここの店舗って赤字ですか?」と聞かれることがあります。

雇われの薬剤師でも、意外と気になる人は多いようです。

赤字か黒字かなんて知らないことが多いのですが、大ざっぱで良ければすぐに考えることが出来ます。

そして経営者でなければ、大ざっぱな認識でも良いと思います。

そんな訳でここからは、損益分岐点を実際に考えてみようと思います。

処方箋何枚で赤字じゃなくなる?

処方箋単価:10000円(薬剤料比率75%)

給与:月150万(薬剤師2人、事務2人)

賃貸料:月15万

水道光熱費:月3万

設備リース代:月20万

諸経費:月5万

ざっとこんな感じの条件で考えてみます。

処方箋の内容は前々回の記事と同じく、単価10000円、薬剤料比率75%、薬価差益10%としておきます。

そうすると、処方箋1枚につき3250円の利益となります。

これが処方箋1枚当りの売上−変動費となります。

次に、1ヶ月の固定費は給与+賃貸料+水道光熱費+設備リース代+諸経費で、合計193万円となっています。

この193万円を3250円で割ると、

必要枚数=193万円÷3250円=約594枚

ということで、1ヶ月の営業日が20日だとしても、1日30枚で良いわけです。

薬剤師2人で30枚ですから、この条件ならかなり余裕があることが分かると思います。

処方箋単価の低い薬局は?

次に、眼科クリニックの門前薬局を意識した条件です

処方箋単価:5000円(薬剤料比率50%)

給与:月100万(薬剤師1人、事務2人)

賃貸料:月10万

水道光熱費:月3万

設備リース代:月15万

諸経費:月5万

処方箋単価5000円、薬剤料比率50%ということで、技術料は2500円。薬価差益を10%として250円。

合計すると、処方箋1枚あたりの利益は2750円になります。

固定費は月133万円

この133万円を2750円で割ると、

必要枚数=133万円÷2750円=約484枚

ということで、1ヶ月の営業日が20日だとしても、1日25枚程度で良いわけです。

眼科ですから、薬剤師1人でも25枚なら全然問題ないと思います。

かなり条件を甘くしたので余裕な感じになってしまいましたが(笑)、こんな感じで、最低限必要な処方箋枚数を算出できるわけです。

実際には、見えない費用がもっとあるので、必要枚数ももう少し増えますが

薬剤師をもう1人採用できる?

最近は薬局薬剤師に求められる業務量が増え、人手不足を感じる店舗も多いと思います。

そこで、薬剤師をもう1人採用しても問題ないのかを計算してみます。

処方箋単価:10000円(薬剤料比率75%)

1ヶ月の処方箋枚数:1000枚

給与:月180万(薬剤師2人、事務3人)

賃貸料:月20万

水道光熱費:月5万

設備リース代:月30万

諸経費:月5万

処方箋単価10000円、薬剤料比率75%ということで、技術料は2500円。薬価差益を10%として750円。

処方箋1枚あたりの利益は3250円になります。

1ヶ月の処方箋枚数が1000枚なので、利益は月325万になります。

一方の固定費は、現段階で月240万

つまり月85万までは余裕があることになります。

これなら、薬剤師1人、もしかしたら2人採用することも可能かもしれません。

このような損益分岐点の使い方もあります。

まとめ

以上、薬局の損益分岐点を変動費と固定費から考えてみました。

細かな金額はかなり大ざっぱなので気にしないでください。大切なのは考え方です。

ここ3回ほど薬局のお金に関する記事を書きましたが、別に薬剤師も皆お金の勉強をするべきだとは思いません。

薬に関する勉強だけでも、時間はいくらあっても足りないと思います。

ただ、店舗に1人くらいは、きちんとお金に関して整備する人がいた方が良いと思うんですよね。

そうすることで、薬剤師は思う存分本来するべき業務に力を入れられます

それぞれが得意な分野を伸ばして、それらを組み合わせることでパフォーマンスを最大化していきたいですね。

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