【解説】粗利や営業利益など、大手チェーン薬局の決算資料を見ながら紹介!

前回の記事で調剤薬局の収益構造について紹介しました。

【解説】売上や利益など、薬局の収益構造をシンプルに紹介!

2017.11.03

結構色んな数字が出てきましたが、今回は大手チェーン薬局の決算資料を見ながら比較していこうと思います。

粗利と営業利益

決算資料を見るうえで、最低限知っておくべきこととして粗利営業利益があります。

図で示すとこんな感じ。

粗利=売上ー売上原価

営業利益=粗利ー販管費

売上はそのまま名前の通りですね。

売上原価とは、売上をあげるために直接必要とした費用のことを言います。分かりやすいものでは薬の仕入れにかかった費用です。

一方の販管費は、正式名称「販売費および一般管理費」。前回の記事でも書きましたが、本社で働く社員の給与や諸経費が含まれます。

 一般的な小売業と調剤薬局の違い

ここで気を付けないといけないのが、薬局で働く事務や薬剤師の給与を販管費として処理するか売上原価として処理するかです。

一般的な小売業であれば、店舗で働く販売員の給与も販管費として処理します。

しかし、調剤薬局事務や薬剤師の給与は売上原価として処理するのが一般的です。

ここの認識を間違えると、営業利益そのものに変わりは無いのですが、売上原価や粗利が変わってきてしまうので注意が必要です。

前回の数字で言えば、事務や薬剤師の給与を払った後の1500円が粗利で、販管費を払って最終的に残った500円が営業利益ということになります。

このことを踏まえたうえで、大手チェーン薬局の決算資料を見てみます。

粗利や営業利益の割合はだいたい同じ

今回は、誰でも知っていそうな企業だけまとめてみました。(平成29年3月期または4月期)

調剤事業だけだと必要な数字が見れなかったので、今回は他事業との連結での数字になってます。

これを見ると、粗利15%前後、営業利益5%前後ということで、割合としてだいたい同じことが分かると思います。

ただ、営業利益における1%の違いはかなり大きいです。

日調とアインの営業利益を見ると、割合だと2%の違いですが金額にすると60億円違ってきます。

まずは決算説明資料から

こういった情報は、各企業のホームページからも見れる決算短信に載っています。⇒平成29年3月期決算短信(日調)

決算短信には色んな数字が載っていますが、その中の損益計算書(PL)に売上や粗利、営業利益の記載があります。

また、こういう数字が苦手でも決算説明資料というものが各社のホームページにあります。

決算説明資料はパワポで作っていて見やすいので、こういった数字に興味がある場合、まずはそちらから見始めるのがオススメです。

他企業との比較

これだけだと何も得るものが無いので、少し違いのある企業と比較してみようと思います。

メディカルシステムネットワーク

つい先日、子会社が不正請求で話題になりましたメディカルシステムネットワークです。

この企業は、調剤薬局だけでなくシステム販売事業や給食事業なども行っている企業になります。

これを先ほどの数字と比べると、売上原価の比率が少なく粗利と販管費の比率が大きくなっています。

これは、メディカルシステムネットワークが元々システム販売の企業のため、事務や薬剤師の給与を売上原価ではなく販管費として処理しているからです。

そう考えると、売上原価と販管費の比率も違和感が無いですよね。

営業利益は2%です。

ツルハ

次にドラッグストア最大手のツルハを見てみます。

ドラッグストアも調剤薬局事業を拡大していますが、給与は販管費に含まれています。

こうやって見ると、やはりドラッグストアの売上高がすごいですね。調剤薬局最大手の2倍以上あります。

ただ調剤薬局と比較すると売上原価の割合が高いです。

調剤薬局の売上原価には給与が含まれていますが、給与を引くと約67.5%です(前回の記事参照)。

ツルハは70%を超えています。

これは医薬品と比べて、ドラッグストアで売られているそれ以外の商品の原価の割合が高いからだと思います。

自分がドラッグストアで働いていた頃、「薬も買ってくれないと全然利益無いから!」ってよく言われてました。

確かに赤字覚悟で売られている物も多くあります。

もちろん、調剤薬局は技術料がまるまる利益になることも関係します。

ちなみに営業利益の割合は3%

こうやって比べてみると、調剤薬局は営業利益の割合が高いようです。

メディパル

最後に、医薬品卸の最大手メディパルを見てみます。

これはメディパルの医薬品卸事業だけの数字になります。

まあ分かっていたことですが、とにかく薄利多売です。営業利益の割合が0.90%しかありません。

卸のことはあまり詳しく知らないのですが、粗利の段階でこれだけ低いと、下手に人件費を増やせないから大変ですよね。

人件費がちょっと膨らんだだけで赤字になってしまいます。

まとめ

以上、大手チェーン薬局を中心に決算資料を見てみました。

薬局によって多少の違いはあれど、分母を多くしていくと前回のような数字に落ち着くことが分かります。

薬局の基本的な数字が分かると、じゃあ薬局の利益を増やすにはどういうった工夫が出来るかを具体的に考えやすくなります。

薬局の利益を増やすというか、これからの時代はいかに薬局を赤字にしないかの工夫ですね。

次の記事ではその辺りのことを書いてみようかと思います。

次の記事>>【解説】薬局の損益分岐点を変動費と固定費から考える

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