処方箋のコピーや改ざんは悪いこと?

以前、患者さんに聞かれたことがあるんですよね。

「処方箋てコピーしたり書き換えたりしたらマズいの??」って。

いやいや。その聞き方、絶対にマズいって分かってて聞いてるじゃないですか(笑)ということで、

「絶対にやめてください!!」

と伝えたわけですが、処方箋のコピーや改ざんはどのような罪に問われるのか、そして、いざそのような処方箋に遭遇した場合にはどのような対応をとれば良いのか曖昧な部分があったので、今回まとめてみようと思います。

偽造処方箋について

まず初めに、偽造処方箋について日本薬剤師会が平成22年に対策マニュアルを作成しています。⇒「薬剤師会・薬局のための偽造処方せん対策マニュアル」の作成について

これによると、近年のパソコンやカラーコピーの進展により非常に精巧な偽造が可能となっているそうです。

確かに、薬局でも処方箋のコピーを取ることがありますが本物と全然見分けがつきません。

誤ってコピーでなく本当の処方箋の方を捨てかけた経験も何度かあります(笑)

偽造処方箋による不正入手事件の件数

偽造処方箋による不正入手事件の件数もこの通知には書かれていて、少し古いデータになりますが

平成13年:29件
平成14年:25件
平成15年:51件
平成16年:23件

となっています。

おそらく発覚していない件数も多数あるでしょうし、近年のパソコンやカラーコピーの精度を考えると件数は増え続けている気がします。

ちなみに、不正入手された医薬品で見てみると上位はほぼ向精神薬で占められ、特にリタリン、ハルシオン、レキソタン等が多いようです。

偽造処方箋に関連する法規

偽造処方箋については、薬剤師法や薬機法ではなく刑法での処罰となります。

もし処方箋を、行使の目的でコピーまたは改ざんした場合、刑法第159条(私文書偽造等)

実際に行使した場合には刑法第161条(偽造私文書等行使)、さらに刑法第246条(詐欺)の罪に問われます。

その薬が麻薬や向精神薬だった場合には麻薬及び向精神薬取締法違反となり、更に罪が重くなります。

処方欄へのメモ

ちなみに、処方箋の処方欄へのメモ書きをしてはいけないってよく聞きますよね。

これは別に刑法に違反するわけではありません。行使を目的としていないからです。ただ、個別指導の時には必ず指摘されます。

何を根拠に指摘しているのかちょっと分からないのですが、個別指導で指摘されるようなことはしないに越したことはありません(笑)

処方箋のコピーや改ざんを発見した時の対応法は?

ごく稀にですが、処方箋を受け付けた時に「あれ?これ改ざんしてるよね?」ということはあります。ただ基本的には、患者さんが書き換えちゃダメということを知らないだけであって、故意ではありません。

なので、大ごとにはなりません。

しかし、もし行使の目的で意図的に改ざんさらえた処方箋を受け付けたり、もしくは薬を渡してしまった後に処方箋の改ざんに気付いた場合はどうすれば良いでしょうか。

地区の薬剤師会の取り決めを確認しておく

多くの地区薬剤師会では、偽造処方箋が発見された場合のフローチャートが用意されているので、それを確認しておくことが重要になります。

おそらく、薬局から薬剤師会に連絡し、そこから医師会や保健所等に連絡がいく流れになっていると思います。

また、場合によっては警察への連絡も必要になりますし(特に麻薬や向精神薬の場合)、会社への報告も必要になるでしょう。

保険者への通知

薬担規則の第7条に以下のような記載があります。

保険薬局は、患者が次の各号に該当する場合には、遅滞なく、意見を附して、その旨を管轄地方社会保険事務局長又は当該健康保険組合に通知しなければならない。

一 正当な理由がなくて、療養に関する指揮に従わないとき。
二 詐欺その他不正な行為により、療養の給付を受け、又は受けようとしたとき。

つまり、偽造処方箋などの不正を発見した場合には保険者への報告も必要ということです。

このことも忘れないようにしておきましょう。

まとめ

以上、処方箋の改ざんやコピーについての記事でした。

自分はまだ意図的に改ざんされた処方箋に遭遇したことは無いのですが、たまに他の薬局で受け付けた話は聞きます。

その多くの場合、薬を渡した後に気付いています。それだけ、受け付けた段階で気付くことは難しいということでしょう。

だからこそ、薬を渡した後にでも気付けた時には地域の他薬局へ周知し、同様の被害を無くすことが重要になってくると思います。

もし地区薬剤師会の作成したフローチャートを見たことが無い場合には、もしもの時に備えて一度確認してみてはいかがでしょうか。

自分の薬局が不正の温床にされるとか絶望でしかないですからね。

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