不正請求という言葉を安易に使うべきではないと思う理由

スギ薬局において、調剤報酬の不正請求が行われていた。乳幼児薬剤指導加算について、算定要件を満たしてないのに繰り返し請求してた事実を認め、返金取消処理をする

これはツイッターで見かけたツイートです。これが事実かどうか定かではないので、このような形で文章だけコピペしました。

もちろん、この内容が事実かどうかは今回の記事の焦点ではありません。

自分が思ったのは、「不正請求」という言葉はあまり安易に使うべきではないんじゃないかということです。

その理由を今回は書いてみようと思います。

そもそも薬局における不正請求とは

そもそも、薬局における不正請求とはどういった内容になるのでしょうか。

一般的に不正行為とは、法律などの明確なルールに従わない行為のことを指します。ですので、不正請求とは法律などの明確なルールに従っていない請求と言えます。

以前に一度記事にしていますが、「付け替え請求」は明確に法律に違反しているため、不正請求に当たるでしょう。

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2017.08.07

個別指導での指摘による返金は不正請求?

そうなると、算定要件を満たしていないのに請求していたスギ薬局は、不正請求を行ったと言ってしまっても良さそうな気もします。

ただ冒頭のツイートを読んで自分が思ったのは、

「これって個別指導で指摘を受けて返金したんじゃないの?」

ということです。(全く背景が分からないので、あくまで推測です)

恥ずかしいことですが、個別指導で薬歴等の指摘を受けて患者さんに返金することは稀にあります。

乳幼児薬剤指導加算もそれなりに要件の厳しい加算ですので、指摘を受けることはあるかと思います。(自分はまだ経験してないので返金になるかどうかは不明です)

ただ個別指導で指摘を受けて返金したからといって「不正請求」と言いきってしまうのはちょっと厳しいんじゃないかと思うんです。

都道府県や指導官によってルールが異なる場合もある

個別指導は都道府県や指導官によって厳しさが全然異なります。これはある程度経験のある薬剤師なら誰でも知っているのではないでしょうか。

同じことをしていても、ある県では指摘を受けても他の県では受けないケースはよくあります。

例えば、

・次の日に薬歴を記載した場合には薬剤服用歴管理指導料を算定できない

・たとえ下剤であろうと、一包化していない薬がある場合には一包化加算を算定できない

この辺りはかなり都道府県や担当者によって差があります。

そんなに差があったら、「もはや明確なルールとは言えないんじゃないの?」と思うわけです。

個別指導で指摘を受けないことは難しい

個別指導で指摘を全く受けないことは、ハッキリ言ってかなり難しいです。なぜなら指導官は指摘をすることが仕事だからです。重箱の隅をつつくような指摘をしてくる指導官もいます。

明らかに個人的というか感情的な指摘をしてくる指導官もいます。逆に謎に褒めてくれる指導官もしますが(笑)

もし「個別指導で指摘を受けて返金」=「不正請求」と画一的になってしまったら、おそらく日本中でかなりの薬局が不正請求を行っていることになる気がします。

まとめ

以上、不正請求について思ったことを書いてみました。

冒頭のツイートの背景は分かりません。もちろん、算定要件を満たしていないことを認識しながら意図的に請求をしていたのであれば、それは「不正請求」でしょう。

ただ、都道府県や指導官によって異なるルールの影響で指摘を受けて返金となった場合は?

個人的には、そんな明確とも言えないルールを守れなかったからといって「不正請求」としてしまうのは厳しい気がします。

別に個人で厳しくするのは構わないのですが、週刊誌やメディアが「不正請求」という単語だけに反応して、その内容をたいした精査もせずに騒ぎ始めたら嫌だなあと思ったのでした。

とりあえず、個別指導のルールが全国で統一されることを願います(笑)

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