ビプレッソ徐放錠はケエチアピンの徐放性製剤。セロクエルとの大きな違いは?高血糖に注意!

共和薬品工業は8月30日、ビプレッソ徐放錠が薬価収載されたことを発表しました。

発売は10月下旬を見込んでいるとのことで、まだ1ヶ月以上先みたいです。

このビプレッソ徐放錠、有効成分がクエチアピンフマル酸塩ということで、セロクエルと同じです。セロクエルの徐放性製剤となっています。

ただ、適応症が違ったり、でも注意するべきことは同じだったりと、色々と確認しておくべきことがあります。

そんなわけで今回は、ビプレッソ徐放錠についてまとめて記事にしようと思います。

ビプレッソ徐放錠とセロクエルの違い

適応症が異なる

まず大きな違いとして、ビプレッソ徐放錠とセロクエルでは適応症が異なります。

ビプレッソ徐放錠・・・双極性障害におけるうつ症状の改善

セロクエル・・・統合失調症

成分は同じだけど適応が違って商品名も異なる・・・そうです。トレリーフと同じパターンです。

トレリーフが「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」の効能追加を承認申請

2017.09.01

ビプレッソ徐放錠の薬価

トレリーフは同成分のエクセランと比べて30倍以上の薬価であることが問題となっていましたが、ビプレッソ徐放錠に関してはセロクエルと比較しても特に高いわけではなさそうです。・

ビプレッソ徐放錠・・・50mg=71円、150mg=188.6円

セロクエル・・・25mg=38.3円、100mg=131.5円、200mg=245.2円

用法が異なる

少し注意が必要なこととして、セロクエルとビプレッソ徐放錠では用法が異なります。

セロクエル

通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。通常、1日投与量は150~600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。なお、投与量は年齢・症状により適宜増減する。ただし、1日量として750mgを超えないこと。

ビプレッソ徐放錠

通常、成人にはクエチアピンとして1回50mgより投与を開始し、2日以上の間隔をあけて1回150mgへ増量する。その後、さらに2日以上の間隔をあけて、推奨用量である1回300mgに増量する。なお、いずれも1日1回就寝前とし、食後2時間以上あけて経口投与すること。

簡単にまとめると、

セロクエルは1日2回か3回に分けての服用

ビプレッソ徐放錠は1日1回就寝前(食後2時間以上)という条件付き

となっています。

ビプレッソ徐放錠に1日1回就寝前(食後2時間以上)という条件が付いている理由ですが、どうやら食後に服用した場合、空腹時服用と比べて血中濃度が高くなりすぎるようです。

これは患者さんにきちんつ伝えなければいけない注意事項ですね。

ビプレッソ徐放錠も高血糖に注意

セロクエルは、重要な基本的注意事項として以下のような警告が添付文書に記載されています。

著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

当然、同成分であるビプレッソ徐放錠も高血糖には注意が必要で、7月3日に厚生労働省医薬・生活衛生局から、高血糖とそれに伴うケトアシドーシスや昏睡に注意を促した「使用上の留意事項」が発出されています。

ビプレッソ徐放錠も、口渇や頻尿といった高血糖の症状が現れないか注意深く見ていく必要がありそうです。

共和薬品工業について

最後に、今回ビプレッソ徐放錠を発売する共和薬品工業についてです。

共和薬品工業から今回ビプレッソ徐放錠が新薬として発売されるわけですが、このことについて少し違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか。

共和薬品工業といえばジェネリックメーカーのイメージですよね。

インドのルピンという大手ジェネリックメーカーの完全子会社で、「アメル」という屋号でも有名です。

アステラス製薬が共和薬品工業に業務委託

そんな共和薬品工業がなぜ今回新薬を発売するのかと思って調べたのですが、やはり製造販売承認の申請まではアステラス製薬が行っていたみたいです。(アステラス製薬は日本でセロクエルの製造販売を行っているメーカー)

そのアステラス製薬が、ビプレッソ徐放錠の日本における流通、販売、およびプロモーションを共和薬品工業に委託したとのこと。⇒クエチアピンフマル酸塩徐放錠に関する販売委託契約を締結

どおりで、共和薬品工業から新薬が発売するなんて何かあったなと思ったんですよね(笑)

ちなみに共和薬品工業ですが、2016年8月に塩野義製薬から長期収載品の製造販売権を引き継いだりもしています。ジェネリック医薬品だけでなく、それ以外の医薬品にも手を拡げているみたいですね。

まとめ

以上、ビプレッソ徐放錠についてのまとめでした。

1日1回就寝前服用(食後2時間以上)

高血糖に注意が必要

特に注意が必要なのはこの2点でしょうか。

セロクエルは海外だと双極性障害に適応があったりするのですが、日本では統合失調症だけだったんですよね。

双極性障害には治験が上手くいかなかったなんて話もありましたが、徐放製剤にすることで上手くいったのでしょうか

セロクエルと同様、高血糖にしっかりと注意して患者さんにお渡ししていこうと思います。

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