薬代には消費税が含まれている!薬局にまつわる消費税の話

以前にツイッターで、高須クリニックの院長に対して消費税のツイートをしたことがあるんですよね。

まあこれ自体はどうでも良いのですが、薬代と消費税の話ってあまり知られていません。

薬局で働いている人ですら、薬代に関する消費税の仕組みは詳しく知らない人が多いです。

もし患者さんに聞かれたら上手く答えられないですよね。

そんなわけで今回は、薬代に限らず薬局に関係してくる消費税についてまとめようと思います。

薬代には消費税分が含まれている

高須院長へのツイートに貼ってあるURLは、厚生労働省が作成した消費税と診療報酬についてという資料です。

簡単にまとめると現在の薬価には消費税8%分が含まれているということです。

医療関係者でなければ薬価とか薬代とか言葉の違いが分からないかもしれませんが、簡単に言えば

薬価(薬そのものの値段)+調剤に伴う手数料(調剤技術料など)

このうち3割から1割が自己負担となり薬代として薬局に支払います。

つまり、「薬価に消費税が含まれている=患者さんが支払う薬代にも消費税が含まれている」ということです。

薬価改定時の新薬価決定方法

ちなみに、薬価改定時の新薬価決定方法は、

新薬価=医療機関・薬局への販売価格の加重平均値(税抜の市場実勢価格)×(1+消費税率)+調整幅

となっています。(市場実勢価格や調整幅については長くなるので省略します笑)

この式を見れば、薬価にはすでに消費税が含まれていることが分かるかと思います。

実際に2014年の4月に消費税が5%→8%と引上げられましたが、この時に約2600億円が薬価改定の消費税引上げ対応分として財源配分されています。

この時はちょうど消費税引上げと薬価改定が重なったために分かりにくくなってしまったと思われます。

ですので、「薬の仕入れには消費税がかかるのに患者さんに薬を渡す時には消費税が貰えないから、薬局や病院は損をしている!!」という非難は的外れであることが分かります。

調剤技術料にも消費税分が上乗せされていた

ちなみに、2014年4月の調剤報酬改定で

調剤基本料:40点→41点

一包化加算(56日分以下):30点→32点

と点数がアップしました。

これは別に仕事ぶりが評価されたというわけではなく、消費税引上げに対応して調剤技術料も引き上げられたものです。

なぜ調剤技術料が引き上げられるのか。

調剤技術料と消費税は全く関係ない気がしますよね。

しかし、薬局を運営するうえで必要な備品や消耗品の仕入れにも消費税はかかっています。その消費税が引上げられた分を、調剤報酬の一部に上乗せする形で対応したのです。

国も意外に親切なんですね(笑)

まあ長い目で見ると、その分国の医療費が厳しくなって次の報酬改定で削られる幅が大きくなりますが・・・

課税取引と非課税取引

ここまでは薬代に関する消費税の話でしたが、ここからはもう少し広く、薬局を運営するうえで知っておきたい消費税の知識になります。

薬代には消費税がかからないという認識は一般的ですが、他にも消費税のかからない取引はいくつかあります。

・土地の譲渡及び貸付け
・預貯金の利子
・学校教育
・住宅の貸付け

この辺りはなんとなくイメージ出来るかもしれません。消費税のかからない取引は国でしっかり決められています。⇒非課税となる取引

このような消費税のかからない取引を非課税取引といい、それ以外の消費税がかかる一般的な取引を課税取引といいます。

薬局業務における課税取引

薬局において主な業務である保険調剤は非課税取引ですが、他の取引はほぼ全て課税取引になります。

あまり意識したことないですよね?

でも気を付けなければいけない点もいくつかあります。

例えば、他薬局への医薬品の販売

ハーボニーの件があって今後どうなるか分かりませんが、今のところは行っている薬局が多いと思います。

これは課税取引です。

保険を適用して患者さんに医薬品を渡す時は非課税ですが、保険を適用せず他薬局に販売すると課税取引になります。

OTC医薬品の販売

これも課税取引です。

例え医薬品であろうと、保険が適用されていないので課税になります。

他にも色々と課税取引はあるのですが、全てを把握しているわけではないのでこれくらいにしておきます。詳しく知りたい人は経理担当や税理士に聞きましょう(笑)

年間の課税売上高が1000万円を超えると納税義務が生じる

そうはいっても、

「別に課税取引でも非課税取引でも、別にどっちでも良くない?貰うお金は変わらないんだし!」

そう思う方もいるかもしれません。

確かに、個人薬局や小さな会社ではそういう考え方でも問題は生じません。

しかし、会社の規模が大きくなってくると、この課税取引か非課税取引かというのが会社の数字に影響を与えてきます

OTC医薬品等を販売して消費税を受け取っているわけですから、本来であればその消費税分を納税しなくてはいけませんよね。

ただ、間の課税売上高が1000万円以下の場合には消費税の納税が免除されるんです。

それによって、個人薬局などは消費税を払っていないところが多いと思います。

しかし言い換えれば、年間の課税取引の売り上げが1000万円を超えるような企業では消費税をきちんと納税する義務が生じるということです。

個人薬局であれば課税取引のみで年間1000万円を超えることはあまりないかと思いますが、数店舗・数十店舗となってくると1000万円を超える可能性は高いです。

そのように納税の義務が発生した場合に、本来であれば課税取引である売り上げを非課税取引として帳簿を付けてしまうと、いわゆる脱税になってしまうわけです。(数十円単位だと思いますが笑)

こうなってくると、課税取引なのか非課税取引なのかという区分は重要になってくるわけです。

あなたの会社では、きちんと管理していますか?

まとめ

以上、薬代と薬局にまつわる消費税の話でした。

後半はかなり経営的な話でしたが、前半の薬代と消費税の話は、薬局で働いているなら知っておいて損は無いと思います。

現在、2019年10月に消費税10%への引き上げが予定されており、安倍さんが総理大臣である限りは予定通り実行されると思われます。

もし予定通り2019年10月に消費税が8%→10%に引き上げられたとして、薬価や調剤報酬への反映がいつになるのか気になるところです。

2020年4月の改定で反映されるのであれば、半年間は薬局の経営が厳しくなることになります。

かといって2019年10月のタイミングで反映されると、それはそれで突然お薬代が高くなり、患者さんへの説明が大変そうです。

そう考えると・・・消費税は8%のまま維持してくれないかな~なんて思ってしまいますね!笑

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