認知症になると車を運転できなくなる?

「認知症になると車を運転できなくなるの?」

患者さんにたまに聞かれます。

自分が働いている薬局は高齢の患者さんが多く、また田舎であるため車の運転を出来るか出来ないかは死活問題となります。

自分の認識としては、『認知症だからといって必ず運転免許が取り上げられるわけではない』だったんですが、実は思っていたよりもその辺りは厳しく、しかも3月からさらに厳しくなっていたんですね。全然知りませんでした。

というわけで今回は、認知症と運転免許についての内容です。

これまでの認知症と運転免許

高齢者による交通事故が社会問題となっていることはご存知かと思います。しかし以前は認知症という病気に対する世間の理解も弱く、認知症の人に対する運転の制限などは何もされていませんでした。

それが2009年の道路交通法改正施行でようやく、運転免許証更新時70歳以上の場合は高齢者講習を、75歳以上の場合には認知機能検査と高齢者講習が義務付けられました。

認知機能検査の内容

認知機能検査では、

・時間の見当識
・手がかり再生
・時計描写

の3つの項目のを検査します。詳しくはこちらのサイトが分かりやすいです⇒高齢運転者支援サイト

そして検査の結果から、

・認知症のおそれがある
・認知機能の低下のおそれがある
・認知機能の低下のおそれがない

の判定が行われます。

この中で「認知症のおそれがある」と判定された場合、専門医の診断を受けるか主治医の診断書を提出することとなります。そして認知症と診断された場合には、運転免許が取り消し又は停止となります。

運転免許証の取り消しと停止の違い

余談ですが、免許証の取り消しと停止では大きな違いがあります。

免許取消処分:免許資格を完全に消失してしまうため、再取得するためには運転免許試験を再受験する必要があります。

免許停止処分:一時的に運転免許証を警察に提出して運転ができなくなります。停止期間が終了して免許証が返ってくればすぐに運転できるようになります。

つまり、停止よりも取消の方が重い処分というわけです。認知症の場合でも、軽度で一時的に様子を見るときは停止、重度で危険な場合には取消となります。

2017年の道路交通法改正

さらに2017年3月に新しく道路交通法改正が施行され、運転免許証更新時に加えて、75歳以上の人が認知機能の低下が疑われるような交通違反をした場合にも、臨時で認知機能検査を受けなくてはいけなくなりました。

具体例としては、

・信号無視
・通行区分違反(逆走など)
・合図不履行(ウインカー出し忘れ)

などなど、かなりの種類があります。おそらく、思い付く交通違反の中でスピードの出し過ぎ以外は全て当てはまるような気がします(笑)

要するに、以前は例え認知症であろうと運転免許証更新までは運転することが可能でしたが、今年の3月からは交通違反をしてしまうと認知症のチェックが入り、認知症だと運転ができなくなるようになりました。

今までよりも運転できなくなる時期が早くなる場合がある、ということですね。

結論:認知症になると車は運転できなくなる

ということで、自分の認識が甘かったことが分かりました。

医師に認知症と診断されるような状態であれば、遅かれ早かれ車は運転できなくなります。

軽度の認知症でも車を運転できなくなるのはどうなの?

認知症と身体機能の関係は、今現在さまざまな研究が行われています。重度の認知症であれば身体機能が低下するのが間違いないのですが、軽度の認知症の場合には身体機能が低下するかどうかは意見が別れるところです。研究でも結論が出ていない状態です。

それにも関わらず、現在の道路交通法では認知症と診断されてしまうと、例え軽度であっても車の運転が出来なくなってしまいます。

それってどうなんでしょう。

田舎になればなるほど車がないと何もできない環境ですし、車が運転できなくなり外出する回数が減ってしまうと、余計に認知症が進行したり身体機能も低下してしまうような気がします。

その辺りなかなか難しいのかもしれませんが、もう少し融通が利けば良いのになあと思ってしまいます。

まとめ

以上、認知症と運転免許証についての記事でした。

自分が思っていたよりも認知症の人は運転を制限されるようで、しかもその制限が徐々に厳しくなっています。その制限によって認知症の人はかなり辛い思いをしているはずです。

制限するばかりでなく、早く自動運転などの代わりとなれる交通手段が開発されれば良いのになあと思います。

あれ?自動運転の自動車も免許がないと乗れないのかな?その辺りよく分かってません(笑)

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