薬局で保険証を毎月確認するのは何故?本音と建て前

薬局での保険証提示。

時々嫌がる患者さんがいます。

最近はかなり減ってきていますが、それでもまだいます。

「別に見せるくらい直ぐじゃん?文句言ってる時間の方が勿体ないよ?」

なんて思ったりもしますが、まあそんなこと直接言えるわけもなく(笑)

一応保険証の掲示は法的に義務とされているのですが、病院はともかく薬局はそこまで厳密でなくても良いよな~なんて思ったりもします。

あと、別に「毎月」という部分には法的根拠は何も無いですよ(多分)。

その辺りの本音と建前。そして今後の行方を記事にしてみようと思います。

保険証を毎月確認する理由

これはもう知っている人が多いと思いますが、健康保険で負担してくれる分の医療費を請求するため、保険証の確認が必要になります。

患者さんが窓口で支払う自己負担金。それ以外の7割から9割、あるいは10割分の医療費は健康保険組合等に請求します。

その請求に保険番号等が必要なので、保険証を確認します。

ですが、請求の時に何かの手違いやミスで保険が変わっていたり違っていたりすると、保険組合は医療費を支払ってくれません

なので、保険診療や保険調剤を受けるために保険証の掲示は必須ですし、その後保険に変わりがないかを確認するため、医療機関は定期的に保険証の掲示をお願いするわけです。

まとめると、

保険証の掲示が必要な理由・・・健康保険組合等に医療費を請求するため

定期的に保険証を確認する理由・・・保険証が変わっていないことを確認するため

保険証を確認する法的根拠

この保険証を確認するという行為には、きちんと法的根拠が存在します。

それが療養担当規則

療養担当規則とは、保険診療や保険調剤を行う際に守らなくてはいけないことを定めた厚生労働省令です。

病院と薬局でそれぞれ存在します。

病院側の療養担当規則

まず病院側がこちら。

保険医療機関及び保険医療養担当規則

(受給資格の確認)
第三条  保険医療機関は、患者から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない。ただし、緊急やむを得ない事由によつて被保険者証を提出することができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。

このことから、本来であれば毎回保険証を確認しなくてはいけないのですが、さすがにそれは病院側も患者も面倒なので「月に1回」確認している場合が多いと思います。

薬局側の療養担当規則

次に薬局はこちら。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則

(処方せんの確認)
第三条  保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方せんが健康保険法 (大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項 各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方せんであること及びその処方せん又は被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない

これを読む限り、薬局は処方箋又は保険証で確認すれば良いとなっています。

処方箋には必ず病院側が確認した保険証の番号等が記載されていますからね。

薬局でも保険証を確認する理由

では、なぜ薬局でも保険証を確認するところが多いのか。

それは病院が入力を間違えることがあるからです。

病院では確認した保険番号等を処方箋に記載するのですが、それが手作業になるなので、たまに間違うことがあるんです。

薬局としては、保険番号等が間違ったまま保険組合等に請求してしまうと医療費を支払ってもらえません。

なので、念のため患者さんに保険証を確認しているんです。

ちなみに薬局も、本来であれば毎回保険証を確認しなくてはいけないのですが、面倒なので「月に1回」確認しているということになります。

保険証の掲示を断れない法的根拠

療養担当規則はあくまで病院や薬局側のルールであって、それ自体には患者さんに対する強制力はありません。

なので、たとえ提示をお願いされても断れば良い話です。

しかし、実は掲示を求められた場合に患者さんは断れない法的根拠が別にあるんです。

それがこちら。

健康保険法施行規則

第五十四条  法第六十三条第三項 各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方せん及び被保険者証を(被保険者が法第七十四条第一項第二号 又は第三号 の規定の適用を受けるときは、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。

これは健康保険法に関わるものなので、患者さんにも適用されます。

ここまでまとめると、

病院は保険証で資格を確認しなくてはいけない。

薬局は処方箋または保険証で資格を確認しなくてはいけない。

患者は保険証の提示を求められたら断れない。

このようになります。

薬局でも保険証を毎月確認する必要ある?

長くなりましたが、ここまでが建前です(笑)

次に本音を言うと、

「薬局は別に毎月確認する必要は無いんじゃないの?」

って思っています。あくまでも個人的な意見です(笑)

リフィル処方箋等が導入されない限り、薬局に処方箋を持ってくる患者は全員病院で保険診療を受けているわけです。

なので、病院がキチンと確認してくれれば、保険証が変わった人はチェックできますよね。そうなると病院の入力ミスが問題になると思うんですけど、入力ミスってそこまで多いですかね?

もちろんそこは病院次第で、事務が適当だったりすると入力ミスも多いかもしれないですが、そうでなければ1ヶ月に1回も入力ミスって無い気がするんです。

しかも、一度正しい保険番号等を登録してしまえば、保険証が変更にならない限りは入力ミスをすることも無い。

それなのに、病院の入力ミスを疑って毎月全員の保険証を確認するのはちょっとコストに見合わないかな~なんて思ってしまいます。

まあ結局は病院の入力の正確さ次第なんですが(笑)

医療ナンバーの導入はどうなった?

で、こういう事を考えていると、

「医療ナンバーが導入されれば万事OKなんじゃないか?」

って思うわけです。

自分の記憶では、2017年の7月から「個人番号カード」を保険証としても使えるようにし、その後は段階的に「医療番号」を導入して「個人番号」と紐付けしていくような流れだったと思います。

保険証として使えるようになりました?笑

これが導入されれば、わざわざ保険証で保険番号等を確認しなくても医療番号さえ確認すれば良くなるだろうし、「個人番号」と連動していれば加入保険が変わっても気にする必要はなくなるんじゃないかと思います。

もちろん入力もしなくて良くなるので、入力ミスだって無くなります。

このように、進展すれば便利になることがなかなか進展しないのは何故なんですかね。本当早く進めてほしいです。

まとめ

以上、薬局で毎月保険証を確認することについて本音と建前を書いてみました。

どうなんでしょう。毎月保険証を確認してる薬局ってどのくらいあるんですかね?

病院はもちろんしっかり確認してもらいたいんですけど、薬局は・・・そこまで厳密じゃなくても良いですよね?笑

もちろん、法律で定められているんだからキチンと確認しないといけないって意見も分かるのですが、それなら毎月ではなく毎回確認しないといけないですよね?

その辺り、もしかしたら自分が知らないだけで何か厚労省から通知が出ている可能性もあります。もし「毎月」という根拠になるような通知を知っている方がいれば教えていただけると嬉しいです。

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