ミネラルウォーターで薬は…って言うけれど、そもそもミネラルウォーターの認識合ってますか?

ミネラルウォーターで薬を飲んでも良いのか?

たまにそういう話になることありますよね。患者さんから聞かれたこともあります。

このミネラルウォーターと薬の話になったとき、いつも気を付けるのが「ミネラルウォーターの認識」です。
別に何が正しいっていうわけではないのですが、認識がずれた状態で話していても会話が噛み合わないと思うんですよね。

これまでの経験でいうと、

・一般の人
・医療関係者
・品質表示ガイドライン

この3パターンで認識がずれていることが多いです。

そんなわけで、今回はミネラルウォーターの認識と薬への影響についてまとめてみます。

ミネラルウォーターと薬

そもそもなぜ薬を飲むときにミネラルウォーターのことを気にしなくてはいけないかというと、ミネラルウォーターにはCaやMgが多く含まれるというイメージがあるからです。

実際にビスホスホネート系薬物の添付文書では、使用上の注意に以下のような記載があります。

本剤は水のみで服用すること。水以外の飲み物(Ca,Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)、食物及び他の薬剤と一緒に服用すると、吸収を抑制するおそれがある。

また、キノロン系抗菌剤などは金属イオンとキレートを形成して吸収が阻害されると考えられています。これも、CaやMgを多く含むミネラルウォーターに気を使う要因です。

本当にミネラルウォーターでこれらの薬を飲むと効きが落ちるかは置いておいて、先にミネラルウォーターの認識を見ておこうと思います。

ミネラルウォーターの認識

これはあくまで自分の経験上の話ですが、ミネラルウォーターと言われて思い浮かべるものが一般の人と医療関係者では若干違います。

一般の人・・・ペットボトルに入っている水

医療関係者・・・水道水よりもミネラルの多い、販売されている水

例えばクリスタルガイザーは、Mgは水道水よりも少し多いですがCaは差がありません。

これをミネラルウォーターと認識するのか。

おそらく一般の人はミネラルウォーターと認識するでしょうが、医療関係者は認識しない人が多いんじゃないでしょうか。たぶん医療関係者は順番が逆で、ミネラルが多くて薬の吸収に影響がありそうな水をミネラルウォーターと認識している気がします。

別にどちらが正しいという話ではなく、単純に認識がずれているという話です。

ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン

実は、ミネラルウォーターの表示に関しては農林水産省からガイドラインが通達されています。その内容がこちら。

3 表示の方法

(1)品名
ア.特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないものにあっては、「ナチュラルウォーター」と記載すること。

イ.ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をいう。)を原水としたものにあっては、「ナチュラルミネラルウォーター」と記載することができる。 

ウ.ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているものにあっては、「ミネラルウォーター」と記載すること。 

エ.ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のものにあっては、「飲用水」又は「ボトルウォーター」と記載すること。

こういう通達の類は文章が理解しにくいのですが、簡単に言ってしまえば普段ミネラルウォーターと呼ばれているようなものはほぼ全て『ナチュラルミネラルウォーター』という分類になります。

例えば『いろはす』

例えば『エビアン』

もし手元に何かあれば見てください。おそらくナチュラルミネラルウォーターと記載されているはずです。

逆に、自分が知る限り品質表示ガイドラインにおいて『ミネラルウォーター』と分類されている商品はほとんど無いです。コストコで売っている商品にあるみたいですが、他には知らないのでもしコンビニ等で買える商品で知っていれば教えてください(笑)

ミネラルウォーターが薬に与える影響

このように、一般の人と医療関係者でミネラルウォーターの認識が違えば、さらに農林水産省から通達されている品質表示のガイドラインともまた異なっているわけです。ミネラルウォーターと薬の関係を話すときは、まずその認識のすり合わせから始める必要がありそうです(笑)

ただ、本当にミネラルウォーターは薬の吸収に影響を与えるのでしょうか。

北海道薬剤師会で作成した資料から抜粋してきたものがこちら。

元の資料がこちら⇒ミネラルウォーター

これを見ると、いわゆるミネラルウォーターと呼ばれているものでも、かなりミネラル量や硬度に差があることが分かります。

そうなってくると、一概にミネラルウォーターは良いとか駄目とか言ってしまうのは良くない気がします。たださすがにコントレックスなんかは影響ありそうなレベルでミネラル入ってますけどね(笑)

まとめ

以上、ミネラルウォーターの認識と薬への影響についてまとめてみました。

一般の人と医療関係者ではミネラルウォーターの認識が違うっていうのは個人的な経験によるものですが、どちらにしろ農林水産省の品質表示ガイドラインとも異なっているということが分かっていただけたかと思います。

ミネラルウォーターの薬への影響は、個人的にはそこまで気にしなくても良いんじゃないかと思っています。ただあくまで個人的な考えですので、気にする場合にはミネラルウォーターの種類まで気にしていただければと思います。

さらに、一般の人と医療関係者で話す場合にはミネラルウォーターの認識のずれに注意していただければと思います。

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