門前の病院が突然やめても、薬局はすぐにやめられない事がある!?普通借家契約と定期借家契約

平成28年度の医薬分業率が70%を超えたことは、ご存知の方も多いと思います。
ただ、院外処方にしてみたもののメリットを感じられず、また院内処方に戻す病院も僅かですがあります。

また、医者も人間ですから突然の病気で診察を続けられなくなることもあります。

そのような時、それまで門前で院外処方箋を受け付けていた薬局はどうするのでしょうか。

「処方箋が来ないんだから閉局するしかないじゃん!!」

って思いますよね。

ただ契約によっては閉めたくても閉められない場合もあるのです。
おそろしい話ですよね、処方箋は来ないのに薬局は閉められない。

実は実際に自分の知ってる薬局であった話ですので、今回紹介しようと思います。

薬局の契約パターン

自分で薬局を経営している方はご存知だと思いますが、薬局を建てる際には大きく分けて3つの契約パターンがあります。

①土地も建物も所有

土地を購入してそこに薬局を建てる、ある意味一番シンプルなパターンです。

この手の話にあまり詳しくない人はなんとなくこのパターンが普通じゃないかと思うかもしれませんが、実はこのパターンはそこまで多くありません。理由は、とにかくお金がかかるからです。土地を購入して薬局を建てる、普通に考えて安くないことは想像が付くかと思います(笑)

②土地は賃貸で建物は所有

土地は購入せずに賃貸契約にして、そこに薬局は自分で建てる。
このパターンは土地を購入するための初期費用を減らせますが、その分土地の賃貸料金を継続して払い続けなくてはいけません。ただ建物は自分で所有しているのでかなり自由に使えます。

③土地も建物も賃貸(テナント含む)

これはまあシンプルで、全てを賃貸です。
都心部でマンションの1階部分を薬局にする場合や、空いてる建物を新しく薬局として使おうとする時はこのパターンが多いです。メリットとして土地も建物も購入しないので初期費用をかなり抑えられることがありますが、デメリットとして建物も賃貸なので自由度が低い点があります。

賃貸の契約に注意

このように大きく3つに分けられますが、気を付けなくてはいけないのが賃貸時の契約です。

普段何気なく賃貸のマンションやアパートに住んでいる方も多いと思いますが、多くは正式名称で普通借家契約という契約を結んでいます。一方で定期借家契約という契約もあり、居宅でなく事業に用いる場合にはこの契約が増えています。まずこの2つの契約の違いを簡単にまとめます。

普通借家契約の特徴

契約期間
契約期間は1年以上で設定する必要があり、1年未満とした場合には期間の定めのない契約となります。一般的には2年とすることが多いです。

貸主からの解約
「正当な事由」がない限り貸主からの解約はできません。契約の更新も同様で、「正当な事由」がない限り貸主は更新を断ることができず、借主は借り続けることができます。「正当な事由」というのもなかなか認められないため、この普通借家契約は借主優位の契約と言えます。

借主からの解約
契約期間満了による解約は単純に更新をしないだけですが、中途解約に関してはどうでしょうか。現在では、普通借家契約をする場合には解約の1~2か月前に申し出れば有効に解約できる特約を付けている場合がほとんどです。自分の契約が気になる場合には確認しておきましょう。

定期借家契約の特徴

契約期間
普通借家契約と異なり、1年未満でも契約として認められます。ただし「定期」であるため、きちんと期限を設定する必要があります。ほとんどの場合は「年月日」で期限を設定します。

中途解約
何も特約が無ければ、一方的には中途解約が出来ず定めた期間契約を全うする必要があります。ですので、普通借家契約と比較して貸主と借主がよりイーブンな立場にあると言えます。(床面積が200平方メートル未満の居住用建物の場合に限り、やむを得ない事情であれば中途解約が可能)

定期借家契約には中途解約の特約を

ここまで読んでもらえれば分かると思いますが、気をつけなくてはいけないのが定期借家契約の場合です。定期借家契約は平成12年の借地借家法の改正によって加わった契約法なのですが、薬局はそれ以降に新しく始めている店舗も多いため定期借家契約の場合が多いです。

その時にきちんと中途解約の特約を付けていれば問題ないのですが、付けていない場合にはリスクを負っていることになります。門前の病院が様々な理由でやめてしまった時、薬局も一緒にやめることが出来ないからです。やめても良いですが賃料は払い続けることになるか、もしくは違約金を払って合意解約となります。

土地に関しても同様

ここまで建物の話をしてきましたが土地に関しても同じことが言え、定期借地契約で中途解約の特約が無い場合にはリスクを負っていることになります。借家契約だけでなく借地契約に関しても注意を払う必要があるでしょう。

まとめ

以上、土地や建物の契約について簡単にまとめました。
定期契約に中途解約の特約を付けていなかった場合に、薬局を閉めたくても閉められなくなる可能性があるということが分かっていただけたかと思います。

もし国の方針で病院が院外処方をやめていくような流れになれば、門前の薬局は大打撃です。その時に中途解約の特約が無かったら大変なことです。

大手のチェーン薬局などは当然のように特約を付けていますが、個人で新しく薬局を開いたりする時にはその辺りも注意してもらえればと思います。

門前の病院のDrが突然亡くなってしまうことだってありますからね・・・

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