薬局薬剤師なら知っておきたい、KPIとKGIの違い。電子版お薬手帳の行方は?

薬局業界においてKPIという言葉が頻繁に出てきたのは、この半年から1年くらいでしょうか。

唐突に出てきたような感じを受けますが、KPIという言葉はプロジェクトやビジネス戦略においてKGIと共に一般的に使われている言葉です。

今後は当然のようにKPIという言葉が使われていくと思いますので、今回は簡単に薬局業界におけるKPIとKGIについてまとめておこうと思います。

KPIとKGIの違い

まずKPIとKGIの違いについて簡単にまとめます。

KPI

KPIはKey Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と呼ばれます。

最終的な目的を達成するための手段・過程を評価するための指標となるもので、例えば薬局で「調剤のミスを減らす」という最終目標があった時に、「調剤過誤監査システム使用率」のような明確に分かる指標がKPIとなります。

KGI

次にKGIですが、こちらはKey Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標と呼ばれます。

その名前の通り目標の達成度合いを測る指標のことで、先ほどの「調剤のミスを減らす」という最終目標の場合、「調剤のミス数」になります。

つまり、下の図のようにKGIの下にKPIがいくつかある形となります。

なぜKPIが突然出てきたのか

話は平成27年に遡りますが、厚生労働省が「『患者のための薬局ビジョン』~『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ~」を策定しました。

この中で、『患者のための薬局ビジョン』という目標を実現するために、厚生労働省として全国的に把握すべきKPIを設定し、その指標を把握していくこととなりました。

これは、これまでの医薬分業率であったり処方箋枚数、処方箋集中率というようなKGIに焦点を当てていたものを、より業務の内容というKPIに焦点を当てていこうというものです。

具体的なKPI

そのような経緯を経て、現在平成29年。
具体的なKPIとして以下の4項目が提案されています。

(1)患者の服薬情報の一元的・継続的把握の指標として、電子版お薬手帳または電子薬歴システムなど、ICTを導入している薬局数
(2)24時間対応・在宅対応に関する指標として、在宅業務を過去1年間に平均月1回以上実施した薬局数
(3)医療機関などとの連携に関する指標として、健康サポート薬局研修を修了した薬剤師を配置しており、当該薬剤師が地域ケア会議など、地域の医療・介護関係の多職種と連携する会議に少なくとも過去1年間に1回出席している薬局数
(4)薬学的管理・指導の取り組みを評価できる指標として、医師に対して、患者の服薬情報などを示す文書を過去1年間に平均月1回提供した実績がある薬局数

これらのKPIについては、既に運用されている薬局機能情報提供制度に項目を追加することで毎年度全国の状況を把握できるようにし、まずは2017年度に試行的なKPIの調査を実施する予定とのことです。

つまり、これらの項目を薬局が達成していくことを厚生労働省は求めていると言えますし、そこに調剤報酬の点数が重点的に付いていくと思われます。

電子版お薬手帳はKPIとしてどうなのか

これは個人的に前から思っていることなのですが、電子版or紙に関わらず、お薬手帳は『患者のための薬局ビジョン』にある『かかりつけ』と逆行しているような気がしています。

お薬手帳って、複数の医療機関にかかっている人の情報を管理しやすくするためのツールですよね?
極端な話、1つのかかりつけ病院と1つのかかりつけ薬局にしかかかっていなければお薬手帳は不要なはずです。

なかなかそこまで完全な『かかりつけ』は不可能なので現実的にはお薬手帳が必要となるのですが、そんなお薬手帳を重要なKPIとするのはどうなのでしょうか。

これはお薬手帳というよりも、ICTを利用した電子版個人医療情報カードのような物を最終的には導入したいのではないかと予想しています。そのための下準備なんでしょうかね、電子版お薬手帳は。

まとめ

以上、今回は薬局での業務と結びつけてKPIとKGIについてまとめました。

厚生労働省の作る資料に当たり前のように出てきている以上、薬局薬剤師としては知っておいて損は無いんじゃないかと思います。

また、このような考え方は薬局の業務効率化であったり収益改善を行う際にも利用できる考え方です。ぜひ普段から利用してみてほしいなと思います。

コメントを残す