薬局にも関係する法律・省令・通達の違い。拘束力はどの程度?

先日ツイッターのやり取りで少し気になって調べた内容が、表題の件です。

法令、法律、省令、通達、通知などなど、よく見たり聞いたりするけど、いまいち理解していませんでした。

薬剤師だと同じような人が多いんじゃないかと思います。

だって、こういった内容って学校で教わってないですよね?笑

薬学部では勉強した記憶ないし、高校とか中学の頃に習っていても覚えているわけないし・・・

でも薬剤師として働いていると、意外と身近な存在なんです。

薬剤師法やら薬機法やらに定められた中で働いているし、厚生労働省の管轄なので厚労省から通知もよく出ています。

というわけで、それらについて簡単に調べてまとめておこうと思います。

法令、法律、省令、通達など解説

法令と法律の違い

まずは法令と法律の違い。そんなこと知ってて当たり前だろって?

自分は知りませんでした。

なんか難しいごちゃごちゃした解釈もあるみたいですが、簡単に言えば

法律 = 国会が作るもの

法令 = 国会が作るもの(法律) + 行政機関が作るもの(命令)

つまり、法令の中に法律であったり政令や省令などの命令があるんですね。

確かに、漢字を見ればその通り、法(律)+(命)令ですね(笑)

ちなみに薬剤師に関係する法律としては、

薬剤師法

薬機法

などがあります。

政令と省令の違い

国会が作ったものを法律といいますが、では政令や省令はどうなのでしょうか。

これもまた漢字の通り、政府(内閣)が発したものを政令各省の大臣が発したものを省令といいます。

これくらいなら中学校で習いましたよね?自分もなんとなく記憶があります(笑)

ただこれだけだとあまりに抽象的なので、具体例として薬剤師法について見てみようと思います。

薬剤師法に関する政令

薬剤師法では、第二条にこのような定めがあります。

第二条  薬剤師になろうとする者は、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

薬剤師になるためには、厚生労働大臣から免許を貰わないといけないことを定めています。

でもこれだけだと、どうやって免許を貰えば良いのか分からないですよね。

そこで、薬剤師法施行令という政令が出てきます。

薬剤師法施行令
第一条(免許の申請)
薬剤師の免許を受けようとする者は、申請書に厚生労働省令で定める書類を添え、住所地の都道府県知事を経由して、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。

つまり、薬剤師法に関する細則を政令で定めているわけです。

薬剤師法に関する省令

さらに、薬剤師法施行令にさらっと厚生労働省令という言葉が出てきていますね。この薬剤師法施行令に関して発せられた厚生労働省令が以下となります。

薬剤師法施行規則
第一条(免許の申請手続)
1、薬剤師法施行令 (昭和三十六年政令第十三号。以下「令」という。)第一条 の薬剤師の免許の申請書は、様式第一によるものとする。

2、令第一条 の規定により前項の申請書に添えなければならない書類は、次のとおりとする。

(中略)

3、第一項の申請書には、登録免許税の領収証書又は登録免許税の額に相当する収入印紙をはらなければならない。

薬剤師法施行規則となっていますが、これが厚生労働省令です。これによって、申請時にどのような書類等が必要か分かりますね。

政令によって厚生労働省に振って、省令で厚生労働省がルールを決めているような感じです。

通達・通知は国民を直接拘束するものではない

最後に通達・通知についてです。

通達と通知の違い

通達=各大臣、各委員会及び各庁の長官が、法令の解釈や運用の方針に関して、所管の諸機関や職員に対して命令又は示達する行為。

通知=特定人又は不特定多数の人に対して特定の事項を知らせる行為。

このように、通達や通知は解釈や方針をその関係機関の中で伝えるためのものであって、国民を拘束するような類のものではありません

しかし、実際に薬局などではこの通知等を遵守せざるを得ません。

なぜなら、厚生労働省大臣に免許を与えられることで薬剤師として仕事をし、指定を貰うことで保険薬局として営業しているからです。

通達・通知はその省内及び省管轄内でのルールとなるので、そのルールを破れば薬剤師免許剥奪であったり保険薬局指定取り消しを受けてしまいます。

もちろん直接拘束するものではないので、そのルールが法律に反していると思えば裁判を起こせます。

あくまで省内での解釈や方針なので、司法が違法といえばそういったルールは法律違反となるわけです。

ただ・・・なかなかそこまでは出来ないですよね(笑)

なので、滅多なことが無い限り通達や通知を律儀に遵守していくしかないわけです。

薬剤師以外の調剤行為についての通知

今回、こういった内容をまとめるキッカケとなったのがこちら。
薬剤師以外の者による調剤行為事案の発生について

これは、「各都道府県等の衛生管部長に対して、厚生労働省としては薬剤師以外の者による軟膏や水剤の計量・混合は薬剤師法違反だと解釈しているということを通知した」ことを、厚生労働省医薬食品局総務課長が日本病院薬剤師会会長に通知したものです。

ややこしいですよね(笑)

でもこの通知をもって、「軟膏や水剤を薬剤師以外が計量・混合することは厚生労働省内のルールでは違反なんだ」と現場は理解し、薬剤師以外が計量・混合することはやめよう、となるわけです。

まとめ

以上、法令や法律・省令・通達等について、薬剤師の現場に沿う形でまとめてみました。

正直、自分はこれまであまりハッキリとは知らないまま何となくで済ませてきたので、今回調べてみて結構勉強になりました。

しかし、本来であればただの内部伝達事項であって何の拘束力も無いはずの通達が、実際にはここまで拘束力を持っているのは凄いですよね。

これが通達行政というものです(笑)

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