日焼け止めを使い過ぎると本当にビタミンDは不足するのか?生成に必要なUV-B

梅雨が明けた今週初めくらいから、ちょくちょくと話題になっているニュースがあります。
それがこちら↓↓↓

日焼け止め使用でビタミンD不足…20代女性に調査

読めない方のために簡単に抜粋しておくと、

大阪樟蔭女子大などの研究チームは2016年5月から1年間、同大の学生など20代の女性延べ101人について、日焼け止めの使用頻度や食習慣などを調査した。その結果、日焼け止めを週3回以上使うグループの血中ビタミンD濃度の平均は、通年で基準を下回る「欠乏状態」だった。

そんなわけで、以前から日焼け止めとビタミンDの関係性について記事にしようと思ってたらちょうどこんな報告が出たので、せっかくなのでこのタイミングで記事にしようと思います(笑)

ビタミンDとは

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、植物に多く含まれるビタミンD2と動物に多く含まれるビタミンD3に分けられます。どちらも体内で肝臓と腎臓で代謝をうけ活性型ビタミンDとなり、腸管や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の形成と成長を促します。

皮膚での生成

また、ビタミンDは食事からだけでなく、皮膚のコレステロールが日光の照射を受けることによって生合成もされます。もともとビタミンは「人体で合成できない微量栄養素」という意味なので、コレステロールから生合成が可能なビタミンDは少し特殊といえます。

ビタミンDが不足すると?

ビタミン D が欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、低カルシウム血症となります。これによって二次性副甲状腺機能亢進症が惹起され、骨吸収が亢進し、小児ではくる病、成人では骨軟化症が起こります。

日焼け止めを使うとビタミンDが不足する?

これが、冒頭で紹介した研究の内容そのものです。ビタミンDは皮膚のコレステロールが日光の照射を受けることによっても生成するのですが、日焼け止めによって日光を遮ってしまうため、ビタミンDが生成しなくなってしまうのです。

重要なのは波長300nm付近の紫外線(UV-B)

最近では紫外線を気にする人が増えていますので、UV-AやUV-Bについて知っている方も多いかと思いますが簡単にまとめておくと、

UVーA(320nm-400nmの波長)
・肌の奥にまで影響
・シワやたるみの原因

UV-B(280nm-320nmの波長)
・肌の表面に影響
・日焼けの原因

ここから分かることは、日焼けなどすぐ目に見える影響はUV-Bですが、後からジワジワときてシワやたるみなどショックが大きいのはUV-Aといったところでしょうか(笑)

このように紫外線にも波長の長さによって種類があるわけですが、ビタミンDの生成に必要となるのは300nm前後の波長です。つまり、UV-Bとなります。

日焼け止めの強さはSPFとPAで判断しますが、SPFがUV-Bを遮る強さPAがUV-Aを遮る強さとなります。
つまり、SPFの数字が大きいほどUV-Bが遮られ、ビタミンDの生成は進みにくくなるということです。

ビタミンD欠乏状態にならないためには?

このように、日焼けを避けようと思うとビタミンDの生成が減るのは仕方のないことです。

ではどうすれば良いのか。

皮膚からの生成が減ってしまう分、ビタミンDを摂取すれば良いのです。

厚生労働省では、1日に必要なビタミンDの量を15μgとしています。
これはアメリカ・カナダの食事摂取基準を参考にしているのですが、日光による皮膚でのビタミンD生成を考慮しておらず、それを考慮した場合には7.5μgが食事から摂取すべきビタミンDの量としています。

ところが、健康な日本人が毎日どの程度日光の照射を受けているのか信頼度の高いデータが存在しないため、この7.5μgという量もかなり曖昧なものとなっています。

というわけで、あまり細かい数字は気にせずにビタミンDが豊富な食材を積極的に食べるようにしていきましょう。

魚はビタミンDが豊富

ビタミンDが豊富に含まれている食材としては、とにかく

1に魚、2に魚。3・4が無くて、5に魚です。

日焼けがとにかく嫌っていう人は、意識的に魚を食べるようにしましょう。

魚は調理が面倒くさいっていう人は、キノコでも良いかもしれません。
キノコにも比較的豊富にビタミンDが含まれています。

ちなみに、なんとなく骨に関係するビタミンだから牛乳を飲んでおけば良いんじゃないかって思いがちですが、牛乳にはビタミンDはあまり含まれていないので注意が必要です。

まとめ

以上、ビタミンDについてのまとめでした。

日焼け止めによって皮膚でのビタミンD生成に必要なUV-Bが遮断されてしまうため、代わりに魚やキノコを食べて不足分のビタミンDを補う必要があるということが分かっていただけたかと思います。

しかし、それ以前の問題として冒頭の研究結果が本当に正しいのか、若干ですが疑問が残ります。
というのも、ビタミンDの不足具合の指標として血中濃度は本当に正しいのか、ということです。
ご存知のとおり、ビタミンDは脂溶性ビタミンです。脂溶性なので、ビタミンDは血中に全て存在するわけでなく、脂肪や臓器にも分布しています。ですので、血中濃度を測定しただけでは本当にビタミンDが不足しているのかは分からないということです。肥満気味の人ほど血中のビタミンD濃度が低くなることも分かっています。

とは言っても、日焼け止めによってビタミンDの生成が減るのは理論的に考えれば間違えのないことですので、日焼け止めを常に塗っているような人は魚やキノコを食べるようにしましょう。

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