【後編】ヤマト便のサービス内容が変更に。医薬品の物流もこのままで大丈夫?

前回の記事では、ヤマト便のサービス内容が変更になった話をしました。

ヤマト便のサービス内容が変更に。大きい荷物は家財宅急便で。

2017.07.20

人員配置の効率が悪いヤマト便は縮小していくっていう話でしたね。

このように運輸業が非常に厳しい中頑張っている状況で、医薬品業界の物流に関してはまだまだ無駄が多いと思うので記事にしてみようと思います。

現在の医薬品業界の物流

医薬品業界といっても自分が詳しく知っているのは薬局だけなので、今回は薬局に絞って話をしようと思います。
病院も薬局と同じくらいですが、ドラッグストアは薬局よりも少し物流に関して進んでいます。

現在、医薬品は卸が各薬局に持ってきてくれます。
メディパル、スズケン、アルフレッサ、東邦の大手4社が主ですが、それ以外にもその関連卸、二次卸、後発専門の卸など様々な卸があります。

これら卸売業者はそれぞれ各地域に物流センターを持ち、さらに細かく営業支店が存在し、そこから配送担当の人が薬局に薬を届けます。

自分の薬局ではアルフレッサと東邦が1日2回、地域の後発専門卸2社が1日1回持ってきてくれます。
アルフレッサと東邦に関しては、急に不足の薬が発生した場合にお願いすれば急ぎでMRの人が持ってきてくれることもあります。

ずっと薬局で働いているとこれが当たり前のように思えるかもしれませんが、他の業界と比べると、このような物流形態は少し遅れていると言えます。

コンビニから学ぶ物流業

日本のコンビニ業界の物流は、おそらく世界一の物流ではないでしょうか。
その特徴は何と言っても多頻度小口配送共同配送

それぞれ簡単に説明しておくと、多頻度小口配送は、コンビニの狭い店舗とバックヤードに合わせて少量ずつ複数回配送すること。それによって、各店舗で在庫を抱えすぎず、かつ品切れを起こさないような状況を作り出しています。POSデータをかなり高いレベルで活用していることでも有名ですよね。

一方の共同配送は、同じ配送トラックに多くのメーカーや卸の商品を載せて配送すること
そうすることで、各卸が店舗を回る必要が無くなり、コストの削減に繋がっています。

セブンイレブンを例に出しますが、よくセブンイレブンの店舗前にセブンイレブンのロゴマークが入ったトラックが止まっていますよね。あれが共同配送のトラックで、一つの共同配送センターに各メーカーや卸の商品がまとめて集められ、そこで配送先の店舗ごとに商品を仕分けし、まとめて店舗に配送しているわけです。

多頻度小口配送はコンビニ業界ならではの特徴でなかなか他業界への導入は難しそうですが、共同配送については医薬品業界でも導入できるのではないかというのが自分の考えです。

医薬品業界の物流の改善点

では医薬品業界に共同配送を導入すればどのようなメリットがあるか、という話になるのですが、その前に1つ共同配送を導入するための条件があります。それは、

ドミナントを形成していること

です。
1つの地域に複数店舗が存在して初めて共同配送というのはメリットが大きくなるからです。
コンビニなんて、各会社ドミナントの形成に必死ですよね。

そういう意味では、現段階の医薬品業界はそこまで集約化が進んでいませんので、まだ共同配送を導入するメリットは小さいかもしれません。しかし今後、主に調剤薬局に関してはM&Aが今まで以上に盛んに行われるはずですので、共同配送の導入は間違いなく進んでいくと思います。

共同配送のメリット

では、今後ドミナントの形成が進んで共同配送の導入がされた場合、どのようなメリットが薬局にはあるのでしょうか。

配送する側の人件費が安くなる

1番のメリットはやはりこれです。
現在、1つの地域を各卸がそれぞれ店舗を必死に回っていますよね。明らかに人件費の無駄です。もちろんガソリン代の無駄でもありますし、地球環境を破壊している可能性もあります。

検品の回数が減る

卸が来ると、その度に届いた薬が伝票と合っているかをチェックして、発注したものと正しいかをチェックして、最終的に薬をの棚に収納すると思います。

この作業を1日に何度もするの、面倒じゃないですか?

他の仕事をしている時に卸が来ると、その作業によってしていた他の仕事の集中力が完全に削がれてしまいます。
共同配送にすることで、この回数をいっきに減らすことができます。

欠品の回数が減る

薬局で働いていると、ある日突然、ある薬の処方数が増えることってありますよね。
このメリットは少し難しいので具体例を出して説明します。

例えば、アムロジンという薬がメーカーさんの営業の成果で突然処方数が増えたとします。そうすると薬局はアムロジンが足りなくなるので、卸に早めに配送してもらえるようにお願いしますよね。

お願いした卸を卸Aとします。

でも卸Aの支店にもアムロジンはあまり余分に置いてないので、結局アムロジンが薬局に届いたのは次の日だった。こんな経験ありませんか?

自分は結構あります。

例えばこのアムロジン、他の薬局も卸Aに普段から頼んでいると、卸Aの支店には少し多めにアムロジンが置いてあります。しかし、他の薬局が卸Bだったり卸Cに頼んでいることもあり得ます。大手の卸なら、だいたいの薬は扱ってくれるからです。

そうなると、それぞれの卸が支店に少量ずつ置いておくことになります。
それによって、急に多めの配送をお願いされても対応が間に合わないわけです。

しかしこういった状況を、共同配送によって減らすことが可能になります。
共同配送は、一度共同配送センターに全ての薬を集めてそこからまた仕分けして各店舗に配送されるので、共同配送センターで薬をやり繰りする余地が生まれるからです。

まとめ

このように、自分はそこまで物流に詳しくないので共同配送のことくらいしか浮かばないのですが、おそらく他の業界の物流で当然のように行われていることで、医薬品業界にも導入できてメリットが大きいことっていうのはたくさんあると思います。

どうしても医薬品業界、特に薬局は個人経営の店舗が多いので、なかなかこういったスケールメリットを活かした工夫は導入しにくい現状があります。しかし、やろうと思えばボランタリーチェーンなどを組んで導入することも可能です。

物流に関して、とにかくマンパワーが足りない時代になってきていますので、医薬品業界の物流に関しても、他業界を参考にしつつ導入できそうなことはどんどん導入して効率化を追究していく必要があるんじゃないかなと思います。

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