フィコンパ(ペランパネル)の特殊な用法や副作用の多さ、ALSに対する臨床試験について

薬価収載からようやく1年が経過した、新機序の抗てんかん薬フィコンパ

抗てんかん薬は長く継続して飲むことが前提のため、新薬で投薬日数に制限のあるうちはなかなか処方されませんよね。

でも薬価収載から1年が経って、投薬日数の制限が無くなった途端にフィコンパの処方箋をちょくちょくと受け付けるようになりました。

用法が少し特殊であったり副作用が多いこともあるので、今回は簡単にフィコンパについてまとめておこうと思います。

フィコンパとは

フィコンパは、エーザイによって2016年に発売された抗てんかん薬です。

12歳以上のてんかん患者の部分発作に対する併用療法として、すでに欧米など45カ国以上で承認を取得しています。

AMPA受容体を阻害

フィコンパの有効成分であるペランパネルは、グルタミン酸によるAMPA 受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制することでてんかん発作を防ぎます。

当初はてんかんの他にパーキンソン病や片頭痛予防の薬としても開発が進められていましたが、結局プラセボ群と比較して優位差を得られず、てんかんのみ適応を取得して発売されることとなりました。

フィコンパの用法

フィコンパは用法が少し特殊で注意する必要があります。

添付文書では、

通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回8mg、併用する場合の維持用量は1日1回8~12mgとする。
なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mgずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。

とされています。

注意事項として、

他のてんかん薬と併用して用いる

代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)との併用かどうかで維持量が異なる

ちょっと特殊ですよね。

これまでにも併用でしか処方できない薬はありましたが、具体的に併用薬の名前まで書かれていることは少ない気がします。今パッと思い浮かんだのはラミクタールですかね(笑)

フィコンパの処方箋を受け付けた際には、必ず併用薬に抗てんかん薬があるか、あれば何の抗てんかん薬かを確認する必要があります。

フィコンパの副作用

このフィコンパという薬、1番の問題点は副作用の多さです。

なんと、臨床試験において服用した方の70%以上で副作用が現れています。

副作用のほとんどが浮動性めまい傾眠。どちらも抗てんかん薬にはよく見られる副作用ですが、70%というのはちょっと確率が高すぎじゃないでしょうか。

ちなみに浮動性めまいですが、身体がフワフワして浮いているような感じのめまいのことです。景色がグルグルと回って吐き気がしてくるような回転性めまいとはまた別になります。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)に対する臨床試験

2016年6月、ペランパネルがALSモデルマウスにて神経細胞死を抑制したという研究成果が、日本のグループによってオンライン版「Scientific Reports」に発表されました。

それを受けて、現在医師主導型の臨床試験が進められています。

ALSでは、神経伝達に関わるAMPA型グルタミン酸受容体の異常が運動ニューロン死の原因となることが確認されています。

ペランパネルが選択的AMPA受容体拮抗薬であることを考えると、AMPA受容体の活性化を阻害して神経の過興奮を抑制することは、運動ニューロン死を抑制できるのではないかと考えられています。

まとめ

以上、フィコンパ(ペランパネル)について簡単にまとめました。

AMPA受容体の活性化を阻害

カルバマゼピンやフェニトインと併用しているかどうかで用法が異なる

70%以上の方に副作用が確認されている

ALS(筋萎縮性側索硬化症)に対する臨床試験が進行中

これまでには無い新しい機序を持った抗てんかん薬で、てんかんだけでなくALSに対する新薬としても期待されています。しかし副作用の多さがネックで、長期に継続して服用することの多い抗てんかん薬としては甚だ不安です。

無事に30%という狭き門を潜り抜けて、服用を続けられる患者さんがどのくらいいるでしょうか。

幸運にも、自分の薬局でフィコンパをお渡ししている患者さんには今のところ副作用が見られませんので、しっかり話をしながら様子を見守っていこうと思います。

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