薬を紛失した場合、二度目は全額自費負担。紛失の原因と対策は?

ここ最近、薬局で貰った薬を飲む前に失くしてしまう人が増えています。

原因は色々あるのでしょうが、

認知症の高齢者が増えている

自動車免許を返納して、公共の交通機関やタクシーを利用して帰る人が増えた

このあたりのことが影響しているのではないかと思っています。。

そんな薬の紛失ですが、再度薬を貰う場合には全額自己負担ということをご存知でしょうか。

医療関係者であれば知っている方が多いでしょうが、一般の方では知らない方が多いかもしれません。

普段は1割~3割負担なので、いざ全額自己負担となると、驚くような金額になってしまいます。

そんな馬鹿な!と思うかもしれませんが、これは国によって決められていることなのです。

今回はその辺りのことや、薬を紛失してしまう原因や対策についても記事にしてみようと思います。

薬を紛失した場合の対応

まず、処方薬を紛失した場合の対応としてはどのような決まりがあるのでしょうか。

保険薬局業務指針および保険薬局Q&Aにおいて、薬を紛失した時の対応法が記載されています。

保険処方箋に基づいて調剤された医薬品を紛失・汚損したという理由により、患者から医薬品の再交付を求められた場合、保険薬局・保険薬剤師の目前で瓶の破損や汚損などのように、その事実が明らかでない限り、処方箋を再発行してもらうか、処方医の了解を得る必要がある(麻薬処方箋以外は、法令上再発行が求められているわけではない)。ただし、これらの場合の費用について、保険請求することは認められていません。全額、患者から実費徴収することになります。

(H26保険薬局Q&A Q59より)

 

Q.薬剤の紛失、液剤のビンの破損などのため、患者が薬剤の再交付を求めた場合、その費用請求はどうすればよいか。

A.全額、患者の自己負担で処理することになる。なお、この場合、目前での破損などその事実が明らかな場合を除き、処方医の了解を得ること、および調剤録への記入などが必要である。特に麻薬処方の場合は、処方せんの再発行が必要である。

(保険薬局業務指針2016年版)

まあ簡単に言えば、「薬を紛失した場合には全額自己負担でまた薬貰ってくださいね、保険からは負担しませんよ」ってことです。

処方箋を再発行してもらう必要は無い

これも上記の通りなのですが、医師の了解を得れば処方箋無しでもお薬を渡すことが可能です。(麻薬を除く)

もし再度病院にかかって処方箋を発行してもらおうとすると、病院の診察料金などもかかってしまいます

もちろん全額自己負担で。

なので、麻薬でなければ直接薬局に来てもらっても、全額自己負担ですがお薬をお渡しすることは可能です。

 

実際の薬局での対応

まあ、国からこのように言われているわけですが、実際に薬局でどのような対応をしているかというと、

実はほとんどが保険適応での対応になっています。

直接薬局に来られても保険適応にするのは難しいですが、病院に行って紛失したことを話せば、多くの場合は保険適応で処方箋を発行してくれます

そして、保険適応の処方箋なので薬局側も保険適応で薬をお渡しします。

もちろん病院側も国の決まりは知っているのですが、このような状況となっています。

ルールが守られていないのだから、あまり良い状況ではないですよね。

でもこれが現実です。

薬を紛失してしまった場合には、焦らずに一度病院に相談してみましょう。

薬の紛失を防ぐための工夫

日本の医療費が切羽詰っている中でこういう状況は如何なものかと思いますよね。

じゃあルール通りに全額自己負担にするべきかというと、それはなかなか難しいところ。

もちろんルールは守るべきなんですが、そもそもの部分として薬を紛失しないための工夫をすることが重要じゃないかと思うわけです。

ルールだからといって全額自己負担してそれで終了、では思考停止です。

そんなわけで、自分の薬局では一度薬を紛失してしまった患者さんには、次回から以下のような工夫をしてます。

ビニール袋に入れず薬袋のままカバンに入れてもらう

薬を紛失してしまうのはどういった状況か。

考えてみた結果、

薬の入ったビニール袋をどこかに置いて忘れてしまう

ビニール袋をゴミと勘違いしてそのまま捨ててしまう

この2つの状況が多いのではないかと考えました。

そこで、

・薬の入ったビニール袋をどこかに置いて忘れてしまう
→手に渡さず直接カバンに入れてもらおう

・ビニール袋をゴミと勘違いしてそのまま捨ててしまう
→ビニール袋に入れず、薬袋のまま渡そう

このように、思いついた状況に対してシンプルに対策を施しました。

元々サンプル数が少ない為、この対策によって実際に薬を紛失する回数が減ったかどうかは分かりません。

ただ、何も策を施さないよりは良いのではないかと考えています。

まとめ

おそらく、薬を紛失してしまう理由なんて千差万別です。

自分の薬局でしている工夫をしたからといって、薬を紛失する回数がゼロになるとも思えません。

ただ、前述の通り何もしないよりは良いんじゃないかっていうのと、何かこういった工夫をすることで、患者さんに全額自己負担してもらう際の納得感が全然違うんですよね。患者さん側も薬局側も。

なので、今後も何か新しい工夫が思い浮かんだらその都度していこうと思います。
高齢者が増えるにつれて、薬を紛失する人も増えるはずなので。

もし何か、自分の薬局ではこういった工夫をしているなどあれば教えていただけると嬉しいです。

 

処方箋を失くしてしまう場合の対策の記事はこちら

患者が処方箋を失くしてしまう原因とその対策

2017.06.06

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