錠剤の薬品名印字によってアレルギー?薬品名印字の方法やデメリットなど。

先日、ある患者さんに聞かれたことです。

「薬に書いてある文字でアレルギーって出る?」

最初、何のことを言ってるのかさっぱり分かりませんでした。

ただちょっと考えてみると、薬の印字が『識別コードを打刻したもの』から『医薬品名をレーザー印字したもの』に変更したタイミングだったんですね。

そして、ちょうどそのタイミングで湿疹が出ていると。

変更が原因の可能性は低いんじゃないかな~とは思ったのですが、絶対の自信も無かったので調べてみることにしました。

識別コードとは

そもそも識別コードとは何なのかって話からですが、識別コードは『薬剤の本体に直接刻印あるいは印刷されているコードのこと』を言います。

言葉で説明してもなかなか分かりにくいと思うので画像を貼ります。

錠剤に『OG70』と刻印されていますね。この『OG70』というのがこの薬の識別コードです。

ちなみにこの薬が何か分かりますか?薬剤師の人なら分かりますよね?自分は分かりませんでした(笑)

ちなみに正解はエビリファイ錠12mgです。

以前は、この識別コードをたくさん覚えている薬剤師が凄い!というような謎の風潮もあったりしました(笑)

ただ最近はGEも増えてるので、とてもじゃないですが覚えきれませんね。

識別コードが打刻されている薬は減っている

ここ数年で識別コードを見る機会は一気に減りました。理由は、医薬品名を直接印字する薬が増えたからです。

これまで識別コードを打刻していた薬もどんどん医薬品名の直接印字に切り替わっています。

なんの薬か分かりますか?そうです、ムコスタです(笑)

一包化した時など、患者さんはこうやって錠剤に直接医薬品名が書いてあった方が助かりますよね。薬剤師も監査が楽になるので助かります。

医薬品名の印字方法

冒頭に出てきた患者さんの質問。おそらく、医薬品名を印字している成分が原因で湿疹が出ていると思ったのではないでしょうか。

実は医薬品名の印字方法もいくつか種類があります。

UVレーザーマーカー方式

UVレーザーマーカー方式では、錠剤の表面にUVレーザーを照射し、添加物として含有されている酸化チタンの色調をグレーに変化させて印字しています。

添付文書を調べてみると分かりますが、この方式で薬品名が印字されている薬は基本フィルムコーティング錠で、添加物として酸化チタンが含まれています

原理についてあまり詳しくはないのですが、UVレーザーが当たると酸化チタンから酸素原子が脱離し、チタン原子と酸素原子の比率が変化することで、白色からグレーに色調が変化するそうです。

インクジェット方式

一方のインクジェット方式。その名の通り、顔料インクや染料インクを微細なノズルから直接錠剤の表面に吹き掛けて薬品名を印字します。

UVレーザーマーカー方式は酸化チタンを含むフィルムコーティング錠の印字に使われていますが、インクジェット方式は主に、フィルムコーティングできないOD錠や素錠の印字に使用されています。

この方式を利用してOD錠で初めて薬品名を印字したプレタールOD錠は、2013年にグッドデザイン賞BEST100を受賞しました。

薬品名印字のデメリット

上記のような方法で錠剤に薬品名を印字する訳ですが、実はデメリットもあります。

それは、

時間がかかる

ということです。

上記の通り、薬品名を印字するために一手間かかっていますので、以前のように錠剤に識別コードをプレスするだけの方法よりも時間がかかっていまいます。

つまり、一定時間に生産できる錠剤の数が少なくなってしまうということです。

以前何の薬か忘れましたが、ジェネリックを発売する際にそれなりの受注が予想されるので、敢えて薬品名印字ではなく生産速度を意識して識別コードの打刻にしたという話も聞いたことがあります。

その辺り、企業の販売戦略も絡んでくるようです。

まとめ

少し話がそれましたが、冒頭の「薬の印字でアレルギーは出るのか?」という質問に対しての結論を出しておこうと思います。

結論としては、

「可能性は低いけどありえる」

です。

識別コードの打刻から薬品名印字に変更すると、添加物として酸化チタンやインク塗料が加わります

ごく少量なので可能性は低いと思いますが、それらの添加物で絶対にアレルギーを起こさないとも言い切れません。

なので、どうしてもそこが気になるという患者さんに対しては、識別コードが打刻されているタイプの薬剤をお渡しすれば良いかと思います。

まあ、確率はかなり低いと思いますけどね(笑)

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